ソボサンショウウオとは?

ソボサンショウウオは祖母・傾・大崩山系(大分・熊本・宮崎)にのみ生育する小型サンショウウオです。流水系のサンショウウオでサイズが大きめなのが特徴。以前はオオダイガハラサンショウウオとされていましたが、2014年に新たに種として記載されました。
国内希少野生動植物種に指定されているので許可なく捕獲、譲渡、販売、飼育することが禁止されています。ネット上にはほとんど情報が無く、実際に見たことがある人は少ないと思われます。その理由は捕獲禁止であること、多少険しい山の標高が高い所にいるからでしょう。
今回は捕獲はせず観察撮影を目的に行きました。
詳しくは下記サイトをご覧ください。
ソボサンショウウオを探しに祖母傾大崩山系へ

ソボサンショウウオはその名の通りに祖母傾大崩山系の沢にいます。標高は500m-1500mとされる流水性の小型サンショウウオです。6月初旬で産卵は終わっている可能性が高いけど、まぁどうにかなるでしょうという思いで行ってきました。本当は4・5月に行きたいところでした。九州の流水性は4・5月が親が水辺に集まりやすい産卵期なのです。
祖母山-傾ー大崩の山はおおむね一続きになっており、稜線の距離は50㎞ほどあります。そこから流れ出す沢の源流域にソボサンショウウオがいるはずです。
ポイントとなる場所ですが、この山域はアプローチが林道だったり山や沢が険しいので初見で探すと言いうよりも知っている場所の沢に行って枝沢を源流まで登っていくことにしました。
場所は祖母・傾・大崩のいずれかです。棲息地保護のため詳しくは書きません。
真っ暗な時間帯から進み始めると

沢に入った当初はまだ川が大きく魚もいそうな規模。時刻は21時過ぎからです。夜の沢歩きは危険も伴いますが、夜は夜で素晴らしい。結構大きな水音が谷に響いていました。
大きな岩が重なるようなゴーロ帯の水面をライトで照らすとエディ的なポイントに何やら渓流魚らしき魚影。ヤマメかタカハヤかなと思い網で掬うと斑点だらけでビックリ。こんな魚は初めてです。
どうやら移入のイワナのよう。イワナはヤマメより上流にいるらしいので、これはサンショウウオの脅威かも知れません。渓流魚のエリアにはサンショウウオは生育できませんが、そのエリアを広げるイワナは確実にサンショウウオにはマイナス。イワナは夏場に水が途切れるような小規模な沢にもいるみたいだし、釣りあげたイワナの胃袋にサンショウウオが入っているケースもあるみたい。
イワナは数が多くがおり、見つけるたびにいちいち反応していたらキリがないので早々に無視することにました。ぜんぜん珍しくないし幻でも無いです。
↓参考論文
九州におけるイワナの生息実態と過去のイワナ生息の聞き込み調査
-九州に自然分布のイワナは本当にいないのか?(PDF)-
小さな沢に入る

途中で規模の小さな枝沢が出てきたので入ってみました。
サンショウウオのエリアなのでゆっくり探しながら登ります。捕獲行為はする気はないので、いわゆるウオ堀りはやりません。見つけたらカメラで撮る。ただそれだけ。
すると一瞬だけサンショウウオの成熟個体らしき大きさの生物を確認。青黒くて結構大きい。一瞬で岩の下に入ってしまいました。しばらく待ったけど出きませんでした。
ソボサンショウウオなのは間違いないと思うけど、画像には撮れなかったのが残念。しかし、この沢にいることを確信して沢を遡ると発見。



幼生を発見しました。デカい。ソボサンショウウオの越冬幼生でまちがいないでしょう。1年か2年前に生まれた個体。模様が無いのでベッコウでは無いです。白っぽい個体もいました。
去年見たベッコウの幼生も大きかったけど、さらに大きい気がします。たぶん九州で一番大きな小型サンショウウオです。


この沢の終了点は10m以上の高さの幅広の滝でした。昼間見たら結構な迫力なかもしれませんが、夜だとライトも届かず写真すらとれません。
滝つぼにカメラ沈めるとサンショウウオの幼生が写ってました。これ以上の流上にも居るのか気になる所ですが、この水量ならたぶん居る気がします。巻いて登る時間はないので次の沢さ探しへと移行。
その後も沢を探す

さらに次に出てきた枝沢を遡っていきましたが、幼生発見できず。
何か雰囲気が違う。周りの谷は植林で沢が埋まっている感じ。折り重なるように杉の木が倒れ込んでいる。
砂礫の間などにサンショウウオは住むので土砂が入り込むとサンショウウオ幼生には厳しいのでいないのでしょう。この沢も途中まで遡りましたが、滝に多くの杉が倒れ込んでいて進め無くなっていました。

新緑の季節というのに周辺に植物が少ない異様な感じ。林床の下層植物を滅多に見かけない。
それもそのはずで鹿が沢山いました。夜ライトを頼りに歩いていると鹿に何頭も出合いました。目が光るのは最初ビックリしましたが、あまりにも遭遇するので慣れてしまいました。
このエリアもかなり鹿が増えており、すず竹もほぼ消えています。
鹿が草や幼木を食べる→表土がむき出しで流れ出しやすい→沢が埋まる→山域全体で保水力が落ちて乾燥化が進む→サンショウウオは泣くしかない→水を求めて下れば移入のイワナに食べられる。



終わりです。
とにかくソボサンショウウオの幼生が見れたのは良かったです。チクシブチともベッコウとも見た目は違うが理解できました。
親の画像が撮れなかったのはかなり心残りですけども。
しかし、この山域も鹿やイワナでサンショウウオには厳しい。山が険しいから源流域が短いので生育に適した大規模な沢はあんまりない気がします。沢が大きく成れば魚も上がってくるし難しいところです。
山の保水力が大きければ多いほどサンショウウオには優しいはずなので、今後これ以上悪化しないことを願うばかりです。
- 祖母傾大崩山系の標高1000m 21-25時
- 1-2mの枝沢
- 水温暖かい
- 複数の幼生と成体(一瞬)を発見
- サワガニや水生昆虫が少ない
- 鹿と放置杉林で山の荒廃と乾燥化
- 違法放流?イワナが多い。在来の可能性もあり?
- 本で調べたかぎりでは、祖母・傾・大崩での発見例があった。その山域の標高500-1500mくらいの範囲で探せば見つかる可能性がある。
今回の装備
- 胴長
- ヘッドランプ
- スマホ モバイルバッテリーも必須
- 小さな網 イワナ取った
- ハンドライト
- 非常食
- 地図・コンパス
- 水
- 替え電池
- 応急用品(ダニ取りピンセットなども)
谷あいでGPSや携帯電波は信用できないので注意。行きは参考にできたが、帰り道は現在地が不明で沢の音を頼りにした。しかし、夜の沢の音は蛇行などで感覚を狂わせるので注意。
鹿が多い山域はダニが多い。食いついたダニは爪で挟んで抜いたりもできるが、ダニ取り用品を用意しましょう。説明書も一緒にね。今回は食いつかれませんでしたが、以前この山域で腕にマダニが食いついていたことがあります。
関連エントリー





























































































