ガサガサってわかりますか?生き物好きの人ならわかると思います。網で魚などを捕ることです。
いわゆる魚とりですね。魚や、エビ、水草、水生昆虫などを捕獲して楽しみます。ほとんどの人々が、近所の川にどんな魚がいるか知らなかったりするかもしれません。どうせ、大した魚いないって思っていても、調べたら珍しい魚やとてもきれいな魚がいるもんです。
とにかくガサガサは大人も子供も楽しめますし。奥が深い。そのために必要な道具などを紹介します。ぜひ、胴長と丈夫な網を買ってガサりましょう。
ガサガサといえば「タモ網」
ガサガサ用の捕獲用品はタモ網がメインです。だって、ガサガサって言葉はタモでのガサガサから来ていますからね。
タモ網は種類が多く、金属の作りや、網の素材、形状、柄の長さや違いなどでタイプがあります。安物だと消耗品でどんどん壊れます。
タモ網(頑丈なものを使おう)
ガサガサでつかうタモ網は先端が平らなタイプを使います(D型という)。ガサガサの標準装備です。丸ではなく、先の方が真っすぐなタイプです。この形状だと川底に押し付けやすいからです。しかも強化タイプは網部分がすれないように二重フレームとなっています。
柳川で弟がガサガサしている動画(福岡県柳川市-水落とし中のガサガサ)
網目が細かすぎると耐久性が低く、何かにひかっけたり踏んだりするだけで破れるので細かすぎるのは最初の一本には適ししません。稚魚などを捕りたい場合は目の細かいのが有効ですが、水中では乱暴に扱うことが多いのですぐにボロボロになってしまいます。最初の一本で標準的なのは3mmラッセッル網です。自分が使っている三谷漁具のタモも3mmラッセルです。網も多少ラフに使っても破れませんが、そのうち破れます。3年使ったら小さな破れがあちこちにでてきました。
ホームセンターに売っている魚とり網は根元や網が弱点です。枠と川底で擦れてしばらくで破れます。根本も水草に突っ込んでガサガサすると簡単に曲がってしまいます。砂ごとすくうと一発で曲がります。
ガチ使用の二重枠タイプを買いましょう。この網を買うと一気に戦闘力が上がり、今までの網は何だったんだ?という感じです。柄との接続点も丈夫で砂ごとガサっても折れません。安い網ではできないのがこの作業です。柄の長さは1m以上あれば十分です。あまり長いと逆に邪魔になったりします。
自分は三谷釣漁具店で二本買いました。このお店は火事で大変なことになっていたようですが、注文は再開されています。bl-1-36(自分用)とbl-1(弟用)を買いました。2年使っても全然現役です。替え網もありますしね。
もっとも魚を捕りやすいのはテグス網ですが、自分が使っているのは標準的なラッセル網3mmです。テグス網は素早く水の中でも動かせます。泳いでいる魚を勢いでがバットすくえて捕獲率は高いのです。しかし、魚のサイズによっては網目に突っ込んで鱗などが剥がれる時があります。テグス網は優れているけど、魚には少し痛いわけです。
ガチ仕様の強いタモ網は値段が高いから釣具店などでガサガサに使えそうなものを探してもいいのですが、長く使えることを考ると高くありません。安いやつの何倍も長く使えると思います。
乱暴に扱わなければホームセンターのでもokですが、見るからに華奢なタイプは避けた方がイイでしょう。
さで網
さで網は柄の無い大きな網です。サイズがデカい分、捕獲率が上がります。ただ、両手がふさがるし水の中では動かしにくいです。水の中では動かさずにさで網をセットしてそこに追い込む形で魚を捕まえます。
水草を一気にガサる時には大活躍します。複数人で追い込むときも活躍します。水が濁って手あたり次第るときも使いやすいです。
エビダモ
そのサイズに似合わず、たも網以上に活躍するときがあります。特にあまり逃げない魚を捕る時に活躍します。夜は使いやすいです。名前の通り、エビをとる時は圧倒的な戦闘力です。小さい網といえば水槽用品の小さな網もありますが、エビダモはテグス網で水切れがよく、抵抗が少ないので捕獲率が高いです。
獲物が動きにくい夜にも使いやすいです。
折りたたみの網
バスや電車移動するひとは折りたたみタイプもあります。よくできた作りでコンパクトになります。最低限の機能はあるので、一応使えます。耐久性は高くないので、砂ごと掬うのはやめましょう。
お魚ネット
水生昆虫やカエル、稚魚などを捕まえる時はアクアリウム用のネットでも十分です。魚にやさしいのが特徴。ものによってはミジンコも捕れます。稚魚は弱りやすいので、すぐ逃がした方がイイですよ。
胴長か長靴
胴長(ウェーダー)
胴長が無くてもガサガサできますが、胴長があると一気に活動範囲が広がります。胴長は長靴もセットになっているので、胴長を使い始めると川で長靴をはくことも少なくなります。ほとんどのモデルが内側がメッシュになっており、汗で引っ付かないようになっています。靴底はフェルトと通常タイプがあり、フェルトは渓谷では滑りにくいですが、欠点として水を吸い重くなることと、脱ぐと水が滴ることです。釣りにも使ったり、ヤマメやイワナがいるような渓流域でも使うならフェルトがいいですが、クリークや池で使うなら通常タイプでも問題ありません。干潟では断然、普通のタイプがイイです。それに、フェルトは縫い付けではなく接着されているのでいずれ剥がれていきます。普通の靴底のほうがおススメです。
あと、腰のベルトがあると、肩ひもを外してもずり落ちないので何かと便利です。水産業の人が使うようなのは腰ベルトがありません。
注意点はあまり深い所や流れのある所で、胸から水が入ると溺れる可能性があることです。それから一度どこかに穴が開くと、そこから浸水してしまうので傷がつかないように扱う必要があります。
サイズは小学生くらいから着れる商品もアリ、サイズは靴のサイズで別れています。
小学生が使う場合は転んで水が入ると起き上がれないので周りの人が注意する必要があります。流れがある場合、ライフジャケットをつけると溺れにくくはなりますが、水が入るとマジで動けなくなるので安心はできません。
長靴
胴長の方がガサガサでは活躍すると思いますが、干潟などでは長靴の方がお手軽です。胴長持っていない時は長靴でやりましょう。夏場はウォーターシューズでもいいです。
グリーンマスターの長靴はアウトドアでも農作業でも定番ですね。履き心地がいいし、品質が高いです。もちろん普通の長靴でもいいです。多少の水漏れなら接着剤でも補修できます。捨てる前に試してみてください。
ワークマンでもok。
バケツ
バケツは何でもいですが、釣り用で選べば沢山あります。活かしバケツとか、バッカンと言いますね。これらは一時確保するには必須ですし、車などで持ち帰えるときも必要です。もし買うなら、持ち帰りにも使えるタイプがイイでしょう。20㎝以下でも小物主体なら十分使えます。あまり大きいとよれてつぶれるので大きくても30㎝までで。
魚を一時的に入れておく際は、水換えを頻繁にして水温や酸素を確保するのが最も安全で手軽です。エラレーションは必要ありません。持ち帰る時はあった方がイイです。
高機能のモノを買いたいなら、エアレーションを入れられる外のポケット、エアーのチューブを通せる孔、ネットと水がこぼれないタイプの二蓋、写真撮影に床だけ赤色、などがついていれば完璧です。蓋がメッシュが多いんですよねぇ。これだと持ち帰る時水が漏れるから水を減らすことになり、あまりよろしくないの。蓋がある四角いバケツも使いやすいです。
余裕があるなら魚を一時保管できるバケツは二つ欲しいです。例えば一つにはデリケートな小魚たちを入れ、もうひとつにはモクズガニやテナガエビを入れるなどの使い方ができます。
特殊なバケツ
川の中ほどまで行くとバケツが置けません。そうなると腰につけたり、水に入れたまま使うバケツが便利になります。腰につけるなら小さなドライバックみたないのが代わりになりますが、アユの友釣り用ソフトタイプがすごく便利っぽい。
ドライバックを使う時は小さめのやつをベルト部分にぶら下げます。ダイソーにも数百円で小さなドライバックが売っています。
携帯エアポンプ
電池式のエアポンプがあれば長時間でもバケツに入れっぱなしできます。エアー弱めに調整してください。小さなバケツに強すぎるエアーは魚を傷つけて弱らせるので、しない方がましです。
でもまぁ、よほど長時間出ない限り普通は水温と水量さえ気をつけたらエアーポンプは要らないのです。
持ち帰る際はなるべく新鮮な水を入れてから、持ち帰ります。水温も気をつけて、塩を少し入れると魚の負担も減らせます。
観察ケース
観察ケースは今では必需品と言えるかもしれません。撮影するときも楽ですし、小さい個体ならバケツに入れなくても観察ケースで一時的に確保できます。プラスチックとアクリルがありますが、アクリルの方が透明感が高くて圧倒的に綺麗です。しかし、アクリルは高いうえに傷がつきやすいので、プラスチックを毎年買い替えるのも良い考えです。サイズは大きい方をよく使います。タナゴしか入れないなら小さいのでもいいです。できるだけ、蓋つきがいいです。狭いスペースだとすぐ飛び出します。
我が家:三谷釣漁具のアクリル観察ケース大小、プラはプロマリン
撮影用品
防水カメラ
ガサガサではオリンパスのタフGが定番ですね。欲しいけど高いので、別の防水カメラを買いました。他にもオズモアクションも持っています。リコーの買ったけど、ピントが全然合わなくてピンボケ連発。こんなもん?動画メインならゴープロなどのアクションカメラも使い勝手イイです。
我が家:リコー、DIJオズモアクション
スマホは防水ケースに入れると安心
深い所や、流れの強い所ではスマホを落すと回収不能になります。浮く防水ポーチに入れるのが安心です。入れなくても大丈夫な時もありますが、落としてから後悔しては遅い。それに防水すると安心してガサガサできます。水中撮影はまともに取れませんが、一般的なカメラ撮影もできます。
汽水・干潟用品
干潟の場合は、掘る道具があると役立ちます。小型のスコップや熊手でいいでしょう。干潟は貝殻が多くて手を切ることもも多いので軍手が役立ちます。冬はゴム手袋でもよいです。
泥汚れを落とすためにポリタンクに綺麗な真水を入れていると洗う時に便利です。干潟でガサるときは満潮になって帰れないようにならないようにしてください。一回、スニーカーで進んでいたら水が満ちて靴を濡らす羽目になりました。
そのほかの小物
もはや必需品、図鑑
図鑑は必需品です。まず「くらべてわかる淡水魚」を買うとイイと思います。物足りなくなたらもっと詳しいのを買ってください(山渓の日本の淡水魚)。ネットで調べればわかるでしょ?と思うかもしれませんが、あてになりません。アユカケ捕れたー-!とイイねがいっぱいついている投稿でも、それドンコじゃん・・・ってことも。
写真に撮ってから図鑑で照合して確定させましょう。
箱眼鏡
我が家では渓流には必須アイテムです。ガラスの箱眼鏡は見え方が極上なんだけど重い。簡易的なバケツにもなる。一度渓流で流されてしまいました(下流で誰かに拾って川岸に上げらていたからラッキーでした)。中に水が入ると重いから注意です。
箱眼鏡越しに撮影したいなら、内側をスプレーなどで黒くすると反射が抑えられます。
シュノーケリングセット
夏場で渓流なら泳ぎながらガサガサできます。水中眼鏡大活躍。いつかは足ヒレ使って素潜りで手づかみやってみたい。ライフジャケットつけるのが安心ですが、浮力があると潜れない・・・。
水質抜群の川ならぜひ潜りましょう!新たなるガサガサステージの開幕です。
帰りの準備
ガサガサはいろいろと汚れるので、帰りのことも考えておく必要があります。移動手段でも違いますが、大きなビニール袋やタオル、ウェットティッシュ、真水や着替えなど。
ライフジャケット
水着で泳ぎながらガサガサするときはライフジャケットをつけましょう。
胴長着用でも深い場合はライフジャケットも併用する必要があります。胴長の中に水が入り、流れがあると溺れてしまいます。
偏光サングラス
透明度の高い渓流だと偏光サングラスを使うと川底までクリアに見えます。日光の反射を無効化できるのです。良いのは高い。底物を探すときに戦力アップ間違いなし!
ガサガサ装備チェックリスト
名前 | 必要性 | チェック |
---|---|---|
たも網 | ◎ | |
さで網 | △ | |
エビダモ | △ | |
投網 | △ | |
胴長・長靴 | ○ | |
カメラ | ○ | |
観察ケース | ○ | |
手袋 | ||
水(手洗いやバケツの水として) | ||
バケツ | ◎ | |
箱眼鏡 | × | |
偏光サングラス | × | |
水着 | × | |
シュノーケリングセット | × | |
ライフジャケット | × | |
応急処置用品 | △ | |
汚れ物を入れる袋 | ○ | |
着替え | △ | |
タオル | ○ |
ガサガサのコツや楽しみ方
なぜ、ガサガサするのでしょうか・・・?
答えはその水辺にがどのような環境かが理解できるから。網を入れるほどに、どのような生物がいるのか?もしくはいないのか?、泥や砂、水の状態が理解できます。
ただ陸から川を眺めただけでは、ただ見ただけです。でも、網を入れると一気に親近感がわき、理解できそうな気がします。例えばどこかの遠くに旅行に行って、橋の上から眺めただけの川と、実際に胴長を履いて網を振るった川、その印象度の違いは天と地ほどの差があります。
たくさんいる生き物なら食べましょう。川との親密度は一気にアップします。
魚を捕獲するコツ
魚とりは気合と諦めない心が必要です。それと時間と運。
捕獲率を劇的にあげる方法は、複数人で追い込む、網二本を使う、目視で追い込む、デカい網を使う。等です。
人によってはタモは一人で二本使うのが標準な人もいます。確かに水槽にたくさん魚がいても網ひとつでは全然捕れなかったりします。
捕った魚はどうする?
ガサガサをしたら魚が捕れますが、持ち帰って飼うか、持ち帰って食べるか、その場に逃がすか、の三択です。
何でもかんでも持ち帰っても当然ながら飼えないので、どうしても飼いたい魚だけ持ち帰りほとんどは撮影なり観察して逃がします。持ち帰る時は、エアレーションしましょう。食べる時も、数は最小限に。
持ち帰りの注意点としては一部飼育禁止や捕獲禁止の種類がいます。捕獲禁止の場合はすぐに逃がしてください。
お勧めは撮影して逃がす。そして記録をとりましょう。自分の場合99.9%上の魚は逃がしています。というのも、生体をたくさん持ち帰って飼育しても、過密にしてしまって病気やトラブルにつながることがほとんどだからです。
以前は、水槽にたくさん泳がせてウットリしていましたが、しばらくはイイにしても年間を通して管理するのはとても難しくコストもかかることに気付きました。確かに写真に撮ったりしてもきれいは綺麗なんだけど、過密水槽は真夏・水温差の大きい秋春・真冬などのを数を落さず乗り切るのは難易度が高いです。
ガサガサの注意点
- 立ち入り禁止のところや私有地ではガサガサしない。
- その地域の捕獲禁止種などは調べておきすぐに逃がす。
- 川から上るポイントも考えておく。
- ごみを捨てない。少しでもゴミ拾う。
- 場を荒らさない。石などを動かしすぎると環境が変わってしまいます。
- 他の地域の魚などを逃がさない。
- 汚れるから帰りのことも考えておく。
まとめ
ガサガサに必要な物や軽く魅力や注意点を紹介しました。もっと知りたいよって人は、ルー大柴のリバーとトゥギャザーをお勧めします。とても楽しい本です。
家族でも楽しめますし、一人でも楽しめます。丈夫なガチ仕様のタモ網、胴長、観察ケースがあれば一気にレベルアップ。ぜひ、購入してガサガサにハマってください。