ハヤ(オイカワ・カワムツ等)の飼育は簡単・キレイ・楽しい

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お魚ガチが書きました
すまら

自然大好き一家で自然保護協会家族会員。自然観察指導員 。熱帯魚はベタ、日本淡水魚はタナゴその他を20本以上の水槽で飼育中。
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ハヤという魚

カワムツとオイカワ。体に線があるのがカワムツ。

ハヤという魚は川魚の少し小さいイワシみたいな魚の別名です。

一般的にはハヤといえばウグイ、オイカワ、カワムツ、ヌマムツなどの小型から中型の魚を総称しています。「ハヤ」はいわゆる俗称で、地域により「ハエ」と言ったりします。語源は早い魚に由来し「逸ゆ」からきているそうです。

これらの種は稚魚の段階では少し模様に違いがありるものの、フォルムや顔や目の形がほどんど同じ。多少大きくなれば見分けはつきますが、稚魚の段階では見分けは付きにくいです。飼い方もほぼ同じです。どの種類でも大きくなれば15㎝以上へと成長します。

※ハヤの稚魚は小さいですが、成長すると金魚より大きく15cm以上になります。将来的に横幅60cmの水槽が必要です。水槽が用意できないなら安易に飼わないでください。もう飼えないからと後で川に放つのも問題行為です。もし、川に戻す場合は同じ場所になるべく早く逃してください。
※都道府県の川によってはオイカワ稚魚の放流が行われており、3㎝未満の稚魚の捕獲が禁止されているケースもあります。

いわゆるハヤ(大きいのがカワムツ)やタナゴ、ムギツク
オイカワの追星。繁殖期のオイカワ、カワムツはオスを追い払うための武器として顔の周りに追星という突起が出てきます。触るとトゲトゲ。よく見たらすごいです。
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捕まえ方

網ですくったハヤ稚魚

ハヤは釣ることも可能ですが、稚魚なら断然捕まえるのが簡単です。春から秋にかけて小川や水路でたくさん泳いでいる小さな魚がいわゆるハヤになるので捕まえましょう。それらはハヤの稚魚である可能性が高いです。小さな水路などタナゴがいる場合はタナゴの場合もあります。

場所にっては網のひとすくいで10匹以上取れます。時折大きな川には水量が減って水たまりになった場所に数百匹取り残されて取り放題みたいな場合もあります。

捕まえる場合は虫取り網でok。自作の仕掛けや罠でも獲れやすいです。罠でよく捕れますし、小川ガサガサでもよく獲れます。サイズ的には3センチとか、5センチくらいまでは簡単です。よく魚を捕る人は捕れすぎて即リリース対象の魚。

釣る場合は針が小さければ2㎝くらいから釣れます。タナゴ釣りをするのですが、たまにハヤの稚魚が釣れます。

成長したオイカワやカワムツならルアーでも釣れます。1gくらいの小さいスプーンで成魚が釣れますし、中型サイズがたくさんルアーを追いかける姿も見れます。もちろん、エサの浮き釣りではハヤは超メジャー。

ルアーで釣れたカワムツ。ハヤというよりカワムツというサイズ。ハヤって感じでつるならエサで釣る。
婚姻色のオイカワ。13㎝。
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飼う準備

30㎝キューブ30㎝×30㎝×30㎝。稚魚時代から飼ってオイカワが5センチ以上まで成長。

川魚の代表ともいえるハヤは比較的丈夫な部類になります。稚魚は数日なら問題なくバケツで飼育が可能です。我が家でもプラケースでエアレーションもなしに1カ月以上一匹も死ぬことなく飼育できていました。注意すべきは酸素不足です。

暑い時期の水温だけは注意が必要です。また暑いと水の劣化が早く、週一の水換えは必要です。メダカのように屋外に置いていてグリーンウォーター化するとほぼ確実に死んでしまいます。

本格的に飼うなら水槽やフィルターが必要になります。とわいえ、特別な器具は必要ありませんので金魚と同じ感覚で飼育は可能です。

捕ってきたら 水合わせは絶対やってください

死んでしまった小さいハヤ(オイカワの稚魚)も見える。小さいうちは各種ショックで気を失い死ぬ場合もある。

川で捕ったらバケツか何かに一度入れることになりますが、川の水をまず汲んでからハヤを入れてください。ハヤは丈夫な魚ですが、サイズの小さい稚魚はこの段階で数匹死んでしまうことがあります。
水槽に入れる際は、水合わせという作業を行います。この作業は絶対やってください。特に、川で捕まえてから時間が多くたっている場合は、水槽に移してすぐ調子を崩して浮いてくる場合があります。特にエアレーション不足の水槽では入れてすぐダメージが出やすいです。もちろん、あまりに水温差がある場合も要注意。慎重を期すなら数時間後に入れるのが安心です。

やり方はハヤの入ったバケツの水を少なくして、そのバケツに水槽の水を徐々に増やす方法がいいでしょう。30分以上かけてバケツの水を増やしたら、少量のバケツの水とともに水槽に入れてください。

我が家では30㎝キューブと60㎝規格で飼育

オイカワ日淡30㎝キューブ水槽の紹介 – YouTubeうちの小学生の長男が編集した動画です。

この動画は稚魚から育てている30㎝キューブです。成魚だと60㎝規格が必要。

必要なもの

60センチ規格水槽なら1.5万円。30cmキューブなら1万くらい初期費用が必要です。室内ならLEDライトもつけましょう。LEDライトは水草用の明るいタイプはまぶしいので、一回り小さめでもいいです。

  • 水槽—60㎝規格、5500円
  • フィルター‐-上部フィルター8000円
  • 床材—大磯砂1000円
  • 水草
  • カルキ抜きーーー300円

水槽

ハヤのサイズや数にもよりますが、3㎝程度が10匹いるなら最低でも30㎝は必要です。15㎝ほどの成魚を飼うなら60㎝規格水槽でないと無理です。成魚だと60㎝規格水槽で5匹で限界でしょう。生体サイズに対して水槽サイズが小さいと水質の面や体形の面で問題が出てきます。なるべく最初から大き目で飼うのがイイと思います。

大事なのは水槽のフタです。驚いたり、喧嘩して飛び出る事がとても多いです。特に水面をギリギリまで上げている場合はピョンピョン飛び出ます。できるなら上部から5㎝くらいは余裕を持たせたい。

とにかく飛び出るので市販の付属の蓋に隙間がある場合は、対策する必要があります。面倒でも対策しておかないと後悔します。なるべくきっちり隙間を減らしたい。

鉢底ネットを張り付けて隙間をふさぐ。このような対策は必須。接着剤はグルーガンを使う。はがれやすいけど跡が残らない。

フィルター

60㎝規格にGEXの上部

60㎝規格なら日本淡水魚定番の上部フィルターが最もおすすめです。汚れやすいので簡単にろ材が変えられる上部が絶対いいです。音が気になりそうな人は、高価になりますが最初から外部式フィルターが良いでしょう。

我が家の30㎝キューブは小型外部フィルターのスドーエデニックシェルトを使用しています。このフィルターは静かでいいのですが、性能的にはギリギリです。

稚魚の飼育で30㎝以下の場合は外掛け式フィルターで良いと思います。

これらのフィルターを使う場合は、水面が少し波打つようにしてエアレーションも兼ねるようにしてください。そうすれば別途エアポンプを使う必要はありません。
もしエアレーションを別にしたいなら投げ込み式フィルターを併用したら良いでしょう。追加サブフィルター兼エアレーションとなります。

水流を強くすると水流に向って泳ぐのでハヤが大きくなった場合は、水流を作り出す工夫をしてもいいと思います。

床材

床材とは下にひく細かい石などのことです。大磯砂か、それより少し小さいいわゆる田砂が雰囲気がマッチします。それより小さいと水換えで床掃除するときに砂まで吸い込むのでお勧めしません。というのも、ハヤや日淡の飼育では水換え時に床掃除するのは必須だからです。それに動きの激しい川魚たちが普段の状態でも舞い上がらせてしまいます。

何も床にひかないベアタンクという方法もありますが、ハヤはなるべく自然に近い雰囲気を再現して飼うことこそが魅力だと思うのでストレス軽減のためにも床材は引いてあげたい。
ソイルは非常に優れた床材ですが、頻繁に床材を掃除するのでハヤには向きません。

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水草

セキショウモとウォーターバコパ、ウォーターマッシュルーム

なんでもいいので水草は入れましょう。金魚は水草を食べたりしますが、ハヤは食べません。種類は川でよく見かけるアナカリスで十分ですが、アナカリスは様々な生物の家と化して、そのまま入れると水槽に虫、貝や病気を入れることになります。よく洗って数日バケツで様子を見て入れてください。買っても安いので近所で売ってる場合は買うのがおすすめです。

個人的に好きなのはセキショウモ(バリスネリア)で、上の水槽の細長い水草。川でも獲れます。

石、隠れ家

これはタナゴのアブラボテ。

ハヤはどちらかといえば隠れ家は必須ではありませんが、身を寄せる石は必要です。成長して成魚になると、稚魚時代より隠れたがるのでパイプ状のものなども入れてみるのも良いでしょう。

エサ えさ

サイズが小さいハヤならばエサは何でもよく食べます。捕獲した魚は最初はエサを食べない種類もいますが、ハヤはすぐ何でも食べます。大きさに合わせてエサを選びましょう。最初はメダカ用を選び、次に川魚、タナゴやザリガニ用がいいでしょう。浮かんでばかりの金魚でもいいですが、理想はしばらく浮いて沈んでくるエサです。基本的には底に沈んだエサはあまり食べません。我が家ではキョーリンの川魚のエサと乾燥赤虫を主に食べさせています。

成魚を捕まえて飼う場合にエサを食べない時は冷凍赤虫や乾燥エビを食べさせて、徐々に人口エサに切り替えてください。多くの場合、数日でおなかが減ってきて人口エサを食べるようになります。

エサの銘柄は深く考えずに安いのでokですが、底に沈んだエサはほとんど食べないので浮くタイプが良いです。あまりに小さいパウダータイプや細かいフレークタイプは気づかないので食べません。

エサの回数は2回から3回。エサはいくらでも食べるのでどんどんやるとドンドンでかくなります。一斉に水面に群がるのが楽しいのですが、やりすぎないように注意。春から秋の間にエサを食べまくるので1年で10㎝程まで成長します。

ベタや金魚のようにエサくれダンスはしません。

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メンテナンス

水換え

ハヤは汚れには比較的強いので神経質になる必要はないのですが、なるべく1週間に1度ペースで3分の1の水換えは必要です。最低でも月に1回は変えましょう。
プロホースなどの床材の掃除もできる専用器具が便利です。

掃除

掃除はガラス面のコケ取りと、水換えの際の床材掃除。

コケ取りはスポンジ等でこすりましょう。ほおっておくと取れません。 床材はプロホース等で水換えと同時に少し掘りながら糞を回収してください。

コケ

いわゆる水槽内のコケはよく生えます。エサが多いから。明らかに増えてきた場合は、コケ取りをしてからエサと光の量を減らしましょう。ガラス面のコケ取りで60㎝規格サイズならマグネット式が便利です。

病気は?

川魚は丈夫で病気にも罹りにくいです。熱帯魚や金魚よりもよりも確実に丈夫です。ヒーターもいらない。水温は一時的に30度以上になっても問題ありません。


注意すべきは飼育密度と水換え。密度が高そうなら早めに捕ってきた川に逃がすことをお勧めします。本来なら逃がしてはいけないので、なるべく早く判断してください。

混泳、タンクメイト

ヤマトヌマエビは食べ残しもコケも食べるのでお勧め。30㎝キューブなら最大5匹くらいを目安に。ミナミだと食べられてしまう。本当のおすすめはミゾレヌマエビ。この水槽に一匹だけ入っているが、エサは食べずにコケばかり食べる。ヤマトはエサを見つけると必死に食べようとする。
ドジョウはかわいいし一緒に飼おう。沈下性のエサならハヤに取られない。ただ、エビにはとられるが・・・

コケ取り要因として石巻貝とヤマトヌマエビはぜひとも入れたいとこです。ミナミヌマエビは食べられるのでダメだし、水槽内で爆殖させない限りコケはあまり食べません。

ハヤはそこまで攻撃的な魚ではなく、多くの魚と混泳できます。動きは激しいですがおとなしい部類ですすので、追いかけられて弱る方になります。タナゴやドジョウとの混泳は十分可能ですが、なわばりをもつ魚からは攻撃される場合があります。なるべくハヤを群れさせて1匹がいじめられないようにしましょう。特にオヤニラミとの混泳は厳しいものがありますので、ハヤのサイズが一回り大きくない限りやめた方が無難です。

ハヤって食べれる?

いわゆるハヤと呼ばれるオイカワ、カワムツって食べれる?という疑問を持っている人もいると思います。

結論から言えば、きれいな川のハヤは美味しいです。友達が山間部に住んでいるのですが、ハヤは天ぷらで美味しいからよく食べると言っていました。その話を聞いて、近所の川で捕ったハヤを食べたのですが、正直不味かったです。なんというか、コケの味がする感じでした。

それから最近、近所の流れがあり水も年間を通して綺麗な川でハヤを捕ってきて食べてみました。美味し良かったです。少なくとも臭さはありませんでした。

ハヤって美味しい?と尋ねられたら源流部にいるハヤは美味しいよと答えようと思います。

まとめ

ハヤは丈夫な魚でザ・日本淡水魚という感じです。

地味な魚と思いがちですが、飼育してみるとキラキラ光ってとてもきれい。特に水流のあるレイアウトにしてみるとキラキラ感が増して見惚れてしまいます。

成魚になると大きな水槽が必要なのですが、稚魚なら小型でも飼えます。エサやりの瞬間はとても賑やか。どんどん大きくなるのでそれも楽しみです。将来的には60㎝水槽は必要になるんので最初からこのサイズで飼育するのも良いと思います。サイズが大きいと水も保ちやすいですし、レイアウトする楽しみもあります。

ぜひぜひ飼育してみてください。ハヤは他の日淡と比べてもよく飛び出すので蓋だけは注意が必要です。水槽の裏で干からびているのを見つけたら悲しくなりますよ・・・。