赤斑病は治ります。しかし、若い個体で初期に限ります。
赤斑病は結構な確率で薬浴しても治らずに死んでしまいます。その理由は老齢個体が抵抗力が落ちて発症するパターンが多いからです。体色が薄くなったような個体が赤斑になるとたいては寿命からの発症です。この場合は、ほぼ治療するだけ無駄になります。
若い個体の場合はリスク覚悟で少し強めに薬浴してそれを乗り越えれば治ります。
普段から早期発見に努めてくださいね。赤斑が出やすいのは秋です。再発もしやすいので、そのまま隔離して別の水槽で飼育したり水槽の見直しも必要です。なぜなら、隔離治療して完治して水槽に戻してもまた発病する場合がほとんどだから。
赤い出血、赤斑病とは?
魚を飼っていると体の一部が赤くなる病気を発症するときがあります。その病気の名前は大抵は赤斑病か、穴あき病です。どちらも原因は同じで、エロモナス菌(赤斑は運動性、穴あきは非運動性エロモナス)が原因です。エロモナス病ともいわれます。
エロモナス菌はどのような環境にもある常在菌ですが、水槽の環境が悪くなると増えて魚が弱ったり病気を発症させる原因となります。
個体により抵抗力の違いがあるので、弱い個体から発症していきます。ひどく成れば穴あき病になたったり、器官が欠損して死んでしまいます。肛門が赤斑になり欠損すると肛門が無くなって死に直結するので恐ろしい。今回は尾の付け付近が上下が赤くなっていました。この場所は特に赤斑病が発症しやすい箇所です。なぜなら泳ぐときに動かす場所なので魚体を保護する粘膜が薄くなる箇所だからです。
決して治らない病気ではないのでなるべく早く治しましょう。白点病は水槽で他の魚にもに蔓延しやすいですが、赤斑病は個体差がありすぐに蔓延することはありません。個別に隔離して薬浴しましょう。
今回は、発症個体を隔離して薬浴で治療させました。水槽内の環境としては水草が茂りすぎていたことが原因の一つのようだったのでバッサリトリミングして対処しました。
赤斑を確認したらまずやること
簡単に言えば赤斑病は水が腐ると発症します。なので、他の魚にも広まらないように水換えをしましょう。フィルターも掃除します。床材も掘りましょう。水換えとフィルター掃除を同時にしたらバクテリアが減りすぎるよう(泣き)なんて嘆く必要はありません。既に水槽内の環境が悪いのですから、清潔な環境に切り替えましょう。ただし、そそぐ水の水温差は絶対に合わせてくださいね。
水草が多い場合は、トリミングしましょう。水草が茂りすぎると水がよどみがちになり、水が悪くなりやすいです。健全に水が水槽内を循環するように環境を改善させてください。
水温差が激しい場合も魚が弱るとともに水槽内のバクテリアの変化が大きくなり、エロモナス菌が増えます。朝夕の水温の変化が激しくないかチェックしてください。水温差が激しい環境ならヒーターを入れましょう。設定は18度くらいが目安です。
隔離で薬浴
エロモナス病は水換えや環境の見直しだけでは完治は難しいです。
隔離して治療しましょう。
使用する薬剤はエルバージュエースを使います。他の薬でもいいですが、白点病など他の症状にも効き、便利に使えるので買うならエルバージュがイイと思います。イメージとしては最初に強めに薬を利かせて粘膜等を剥がして治療させます。最初の二日を乗り越えれば短期間で完治できるのが利点です。
やり方は最初は1日で水換えし、あとは2日ごとに半分の水換えをやって、4回目には治っているという流れになります。エサは二日に一度くらい少量。
大事なのは最初の薬剤の量です。粉薬で分量がわかりにくいのですが、隔離だと水量が少なく勘で分量を調整することになります。薄い黄色では薄すぎますから、かといって濃い黄色でもないくらいの色に水が染まるまで少しずつ薬剤を溶かした水を入れて調節します。
- 事前準備隔離環境準備
バケツなどを準備。置く場所は水温差が無く静かな場所。水は飼育水。水量が少ない場合は必要ないが、可能ならエアレーションをする(エアーは弱め)。ヒーターがあれば飼育水槽に近い温度に設定し稼働させる。
- 捕獲魚を捕まえる
素早く捕まえる。コツは網を二つ使うこと。
- 塩浴魚を隔離して、塩を入れる
0.5%、つまり1リットルにつき5gの塩を準備し3回ほどに分けて溶かす。
- 薬浴エルバージュエース投入
色を見ながら少しずつ。分量的には1リットル当たり0.01g。今後は一切薬は入れず、水換えで薄めていく。
- 水換え2日目 最初の水換え
半分の水換え 減った塩を追加
- 水換え4日目 水換え
半分。減った塩を追加
- 水換え6日目 水換え
半分水換え 減った塩を追加
- 様子を見るおそらく完治しているがそのまま3日ようすをみる
エサはやる
- 薬浴終わり9日目
元も水槽に戻すか、負担の少ない別の新し環境などで育てる。
9日で赤斑病完治
赤斑が消えたら、水合わせして水槽に戻します。しかし、元の飼育水槽にそのままもどすと再発もしやすいので注意してください。水槽の環境の見直しや別水槽で飼育することも検討してください。おすすめは隔離の延長で別水槽を立ち上げ飼育することです。
可能なら水槽も少し早めのサイクルで水換えした方が安心です。特に水温差が大きい季節の変わり目などは水が腐りやすくエロモナスが出やすいです。水換えで水温差ができると本末転倒なので、投入用の水を前日から水槽近くに汲み置きしておくとイイでしょう。
もし、赤斑がひどくなっているようなら、もう一度エルバージュの濃度を上げます。さらに魚の負担を減らすために塩を0.3-0.5%ほど入れて魚の体力が減らないようにします。
お買い物
エルバージュは小袋ですが、60センチ規格水槽サイズです。少しずつ使う場合は、湿気無いように注意してください。
おすすめの薬なので魚を飼い始めたら事前に用意しておきましょう。細菌やウィルスのたいていの病気に効きます。イカリ虫などの寄生虫には効果がありません。