ヤビーポンプとは?
ヤビーポンプとは、真空の力を使い干潟の中の生物を引きずり出す道具です。ヤビーyabbyとはオーストラリア英語でザリガニの意味。ちなみに、アメリカザリガニはred swamp crayfishですので、ヤビーとはオーストラリアだけで通用します。
日本では主にポセイドンヤビーポンプというのが良く使われているのですが、現在生産が休止中で買えないのでメルカリで購入しました。
お値段は4000円以下で安く購入できました(ただし一部すぐ壊れた)。
メルカリで買ったヤビーポンプ
メルカリ購入:交換用パッキン5枚おまけ付き 長さ:85cm 太さ:6.3cm 材質:ステンレス。価格送料込み3000円後半。
取っ手を含めて85㎝で、筒の部分は75㎝となっています。ステンレス製でしっかりしていて、先端は尖って痛いくらい。バリが盛大なので気になる人はヤスリなどで研げばいいでしょう。
パッキンは5枚付属していて、ボルトを緩めれば交換可能です。奥まっているので、ソケットタイプのレンチで緩めてください。手元側の蓋が抜けた人は、抜いて交換もできます。
パッキンのサイズなどで動きかキツイ場合は、ワセリンやグリスを薄く塗ればいいでしょう。海洋汚染にならないように薄く塗ってください。石鹸水でも軽くできるとのことなので、石鹸でもいいです。
さっそく壊れた?
いざ使用!砂の干潟
我が家からは有明海は近い。泥の干潟の方がいいかもしれませんが、初使用はこの前行った福岡県内の砂の干潟へ行きました。結論から言えば砂でも泥でもokでした。砂礫や大きめの石がごろごろしている干潟は掘るには適しません。あと、トビハゼが多いような歩けないほどの泥のところもやり難いでしょう。1m動くのも大変ですからトラウマになっています。ガタスキーあれば行けるけど(欲しい。作りたい)。
ヤビーポンプは泥ごと吸い出すので、ザルか網に泥を落とします。何か用意してください。特に魚を捕りたいときは。ザルは粗目で大きいのがイイでしょう。たも網でも全然okです。釜に残った魚を泥ごと掬うこともできるし、水際部分で普通にタモとして使えます(貝殻などで破かないでね)。
ヤビーポンプの使い方
ピストンがあるので真空の力で周辺部の泥を吸い出すか雰囲気ですが、地面に差し込んで本体に取り込んだ泥や砂を落とさないために吸引の力を利用するだけです。差し込んだ以上の泥や水は基本的に吸えません。
- 差し込む穴を見つける。
- 斜めなのか、真下なのか、どのくらいの深さまで?と少し考えて差し込む。ハンドルでぐりぐりしながら。
- 浅くていい場合はピストンをひきながら、穴から抜くと同時に、ザルなどにぶちまける。勢いよくぶちまけると生物が死ぬのでボトンと落とす。
- 深く狙う場合は、ピストン部分を抜きつ本体を差し込みつづける。ピストンを押し込んだままだと深く刺さらない。
- 深く差した場合も、ピストンを引きながら近くのザルにゆっくりぶちまける。抜くのは素早くやった方がイイ。
今回捕れた魚など
ほぼ一帯はアナジャコ(有明海ではマジャクという)の穴だらけで、アナジャコ捕りのおじさんも複数組みいたのですが、今回アナジャコはとれず。
ヒモハゼは嬉しいですね。あとツバサゴカイを見れたのは嬉しい。棲管(せいかん)は沢山あっても掘っても掘り出せることは稀です。繊細なゴカイだから。すぐ千切れそう。
ヤビーポンプは使っていませんが、ハマグリ、サキグロツメタガイ、イシワケイソギンチャク、オサガニ、チゴガニ、マメコブシガニ、ヤドカリ各種が見れました。
注意点
穴を掘ることになるので、現場を荒らすかと思ったけど、有明海の干潟は基本的に広いので荒らすって感じでもありませんでした。吐き出した泥は潮が満ちれば霧散します。穴はしばらく残るでしょうね。見苦しいようでしたら治すべきですが、穴だらけになるほど同じ場所でやるのは避けるべきで適度に散しながらヤビーポンプを差し込めば問題ないでしょう。
今回の干潟はアマモ場もあったのですが、アマモは地下茎で繋がっているので切らないように注意してください。
ゴカイも繊細なので密度の高い所ではむやみにやらない方がイイでしょうね。吸い出しても泥の中に戻しにくい種類もいます。ツバサゴカイとか。
ヤビーポンプのメンテナンス
ステンレス部分は錆びないが、鉄のナットなどが錆びる。
海で使った後は水荒らして錆止めのスプレーをかけておいた方がイイ。錆だらけになったから。
自作もできる?
ヤビーポンプは自作も可能で、塩ビパイプや自転車用の空気入れで作る人がいます。
でもお手軽なのは、ピストン型の水鉄砲を使う方法です。コストコにはストリームマシンという昔からある世界最強の水鉄砲があります。この先端をのこぎりで切れば一応、ヤビーポンプとして使えます。我が家にも二本アリ、川で遊んでました。ら一本切ろうと思っていたけど、ステンレスが3000円台だったのでメルカリで買ったんです。
転売は高いので注意してください。普通は1本1000円です。
トイザらスにはアクアシューターという同じような水鉄砲があり、こちらは先端が外せるので切らずにヤビーポンプ化が可能っぽい(不明)。こちらとストリームマシンはサイズはほぼ同じですので買うならトイザらスの方がイイです。
しかしながら、どちらにしてもプラスチックなので砂などで筒やパッキンがすぐに傷つくでしょう。使い勝手や耐久性はステンレスには勝てないはずです。砂の付着が多くなったら水で洗いながら使えばよいそうです。
大きな違いとなるのは砂に刺す際の抵抗です。ステンレスの方が薄く鋭利で刺しやすそう。サイズも一回り大きいし。新規にどうせ買うならメルカリの方がいい気がする。
クラムガンってのもある
クラムとは英語で二枚貝のこと。それを獲るアメリカで使われている道具がグラムガン。
少し大きめの筒に空気抜きのついたハンドルがついており、差し込んで引き抜くときに空気穴を塞いで抜くと泥ごと持ち上げられるというアイテム。
日本ではほぼ売っておらず、アメリカのアマゾンで個人輸入すると送料込み1万円くらいで買える。
ヤビーポンプより良さげに見えたりもする。どうなんだろうか。口径がデカいのが羨ましい。シャコ系はヤビー、貝ならクラムガン?
https://www.amazon.com/Danielson-Clam-Gun/dp/B001443N4Q
ヤビポンの感想
ヤビーポンプいいですね。干潟が近い人は持っていて損はない。こんどはムツゴロウとかトビハゼいる所でやりたいけど、ガタスキー無いと遭難しそうな・・・。
干潟に近い人が買うならポセイドンがイイと思う。ステンレスでもちゃんと洗って塩は落としましょうね。
とりあえず使うにはメルカリでもたぶんまぁok。クワや熊手、スコップで捕りやすい生物もいるし。干潟での選択肢の一つです。
今度は筆でマジャク取りもやってみたい。有明海は有料の場所もあります。漁業権もチェックすべきですね。
にしても、あれだけいたアサリはどこに消えたの?有明海では恐ろしくとんでもないことが進行中なのかもしれない。数100万年の営みが途切れたら連鎖的に滝の様に生物の種類が減る。
お買い物
売っていたらポセイドンの買いましょう。