観賞魚の薬浴中でもエサを食べささせるべきかどうかについて考えてみます。薬メーカーの答えは「必ず食べさせてください」とのことです。
お魚を隔離して薬浴するときはエサをやった方がイイ?
それはよく聞く質問だけど、鑑賞魚用の薬のメーカーであるニチドウによると必ずエサをあげてくださいってアナウンスしているよ。
そうなんだ。
薬浴中はエサはどうする?
薬浴中のエサはネットで調べるとエサはやらない、絶食させるという情報が沢山出てきます。一方で、やってもいいという話もあります。
日本の観賞魚は金魚やコイの生産業者の情報が多いのですが、コイや金魚は絶食させるのが普通のようです。エサは2・3日どころか10日止めても問題ないですし、エサを切るとじっと動かなくなることから、絶食させるというわけです。水も汚れにくいですしね。
しかし、免疫低下で何かの病気を発症した際はエサをやらないと、さらに体力低下と免疫低下を起こしてしまいます。エサはやった方がいい気もします。
魚は薬浴中もエサをやるのが基本
メチレンブルーやグリーンFなど多くの種類の観賞魚用の薬を販売しているニチドウという会社があります。その会社が出している本やHPを読むと、薬浴中も餌をやるように書かれています。
Q: 治療中の魚にエサは与えた方が良いでしょうか?
A: 治療中の魚であっても、エサは必ず与えて下さい。魚を絶食状態にすると、体力が消耗し、薬を使用してもなかなか治らないことがあります。 ただし、与える量は普段より少なめが良いでしょう。また食べ残したエサは速やかに取り除いて下さい。 一般に病状が悪化した魚は、ほとんどエサを食べませんが、薬の使用により、病状が快方へと向かうにつれ、エサを食べるようになります。 このように病魚のエサの食べ方は、病気の進行及び薬の効果を知るバロメーターにもなります
日本動物株式会社、よくある質問
要約すれば、薬浴中も体力を落とさないようにして治療効果を出すために、普段より少なめでもエサを与えた方がよい。ただし、食べ残したエサは速やかに回収する。ということです。
他にも、雑誌のアクアライフの病気治療ページもほとんどのケースで給餌が行われています。
我が家では薬浴中の場合、最初の一日は絶食し次の日に糞の状況を確認します。ここで明らかに妙な糞などが出ていないか確認します。例えば、糸のような分とか浮いてしまう糞などがあるかなどです。それから剥がれた粘膜なども確認します。
薬浴2日目から普通に餌をあげます。一回の量は減りますが、掃除ができるなら1日2回やっています。
重要なのはベアタンクでエアレーション、ヒーターのシンプルな環境にすることです。バケツではなく横から確認できる水槽の方が糞を確認しやすく、スポイドで取りだしやすいです。
ヒーターを入れていると温度が高いので普段より代謝が活発になるということも考慮しておいてください。これも薬浴中はエサをやった方がいいという理由の一つです。
薬浴中のエサは消化が良いタイプが適しています。普段食べさせているフレーク状のエサがあればそれをあげましょう。フレーク状は消化が良いと餌メーカーの商品説明に書かれています。それから、古いエサは脂肪分が酸化して不調につながるのでなるべく新しいエサがイイです。冷凍のエサは水が汚れやすいのでダメ。
水槽にエサをばらまいたら、エサに薬の成分がしみこまないの?って心配になる人もいるかもしれませんが、薬浴している時点でエラから薬用成分を吸収しています。それに、薬剤をエサにしみこませて治療する方法もあるくらいなので問題ありません。
ベタ飼育でフィルター無しの場合におなじみのスポイドで糞の回収。楽しい。
薬浴中にエサをやる時のポイント
- 水量は多めで
- 餌は少なめにする。普段食べ慣れているエサがイイ。
- 消化に良いエサがイイ。思いつくところではキョーリンの新世代フレークプロスのシリーズ。高級餌だけど。
- 糞掃除や水換えの予定を立てておく。
- 投げ込みフィルターを稼働。活性炭は要らない。ウールのみ。
薬浴中に餌を止める時
隔離の薬勅中にエサをやるのが基本にしても、やるべきでないケースも存在します。
例えば、水換えや糞掃除がしばらくできそうにない時。これは絶食してしばらく穏やかに過ごさせるべきでしょう。エサをやって水質悪化させて調子を崩すよりも、餌を切った方が正解です。
他にも、消化系の病気の場合です。この場合は絶食が治療方法の一つになります。糞が切れずにつながったり、便秘でお腹が膨れていたり。する場合。便秘ならしばらく絶食させて水換えなどの刺激で排泄させます。
他にも、元気で体力満タンの場合などです。白点病などは密度が濃く成れば元気な個体でも発症します。白点病は初期ならエサを普通にやっていい病気ですが、体力十分ならあえて絶食させても問題無いでしょう。
他にも、無加温で冬の場合は普段からエサの量が落ちているはずですので、低温で薬浴している場合はエサは必要ないですね。
答えは魚の気持ちで臨機応変
薬浴中にエサをやるべきかどうかは、まず魚の気持ちになって考えることが重要です。たとえば、上の画像の魚。ヒレがボロボロです。これは病気というより、他の魚にいじめられてエサを上手く食べれずに弱っています。一番の対処は落ち着いた環境に隔離してエサを食べさせることですよね。隔離して薬でトリートメントして体力を回復させる。そして新しい別の落ち着いた環境で飼育するのが正しい対処法でしょう。
とにかく、魚は薬浴中もエサはやるべきですが、何か理由がありあえて断食させるのならそれも正解です。状態を見て判断しましょう。でもまぁ、断食させた方が管理が楽なんですよぉ。エサはやらない方いいってのもワカル。環境だけ整えてあとは静かに過ごさせて体力の回復を待つ。それも正解だと思う。
最後に、あくまでエサをやったほうがイイよというのは、我が家の考えであり薬メーカーニチドウの考えです。責任は持てません。
薬浴にお勧めの水槽とスポイド
↑糞掃除には使いにくい。微妙な吸い込みが調整しにくいし、水を吸いこみすぎる。小型水槽なら水換えできるくらい水を吸いこむ。
↑こちらの方が糞だけの回収なら使いやすい。けど・・・
本当のおすすめはダイソーの大きなスポイド。100円だから3個くらい買いたい。水槽の深さは25センチくらいまでは対応する。長さ28センチ。
おススメの薬浴水槽など
↑薬浴水槽にピッタリの活性炭無しのスポンジタイプのろ材。繰り返し使えるのもGOOD。ウールで自作もok。