山と渓谷社、仲 義輝 「タモ網1本ではじめられる魚とり 実践テクニックと生き物図鑑」
22年7月に出た最新のお魚本です。アマゾンで見たら評価がよさそうだったので買ってみました。山と渓谷社から出た魚とりの本。山と渓谷社といえば、我が家にも日本のタナゴや図鑑などがありますから期待して購入しました。
なぜ期待して購入したかというと、「ルー大柴のリバーとトゥギャザー!」みたいな内容を想像していたんです。この本は実際にいろんな時期に各地の川に行ってガサガサしている様子が紹介されていて、とても読んでて楽しい本です。
感想
読んでいて最初の内容は魚とりの道具や方法の紹介で具体的な情報はとても良いと思いました。しかーし、そのような内容はわずか24ページで終わり。
あとは100ページ、魚見分け、各種魚・両生類・水生昆虫の図鑑となっています。
図鑑の内容は画像や特徴に加え、捕り方が記載されています。図鑑ページは個人的な思い出なども混じって記載されているし、捕まえた感触など、普通の図鑑とは違う文章もあります。ガサガサで捕れ易い魚を中心に紹介されているのでこれはこれで興味深いし便利です。ですが、収録品種が100種程度と中途半端。そもそも、図鑑を期待して買っていないのに中身はほとんど図鑑。
図鑑としてはくらべてわかるや日本の淡水魚の方が優れているのので、なんとも微妙な本という感想。
読みたかった最初の方の情報ページはレイアウトも見やすくいい感じなのに、いかせんページが少ない。よく表紙を見直すとたしかに実践テクニックと生き物図鑑と副題がついています。副題ですが、明らかに図鑑がメインの本。軽くタイトル詐欺です。ちなみに、魚とり情報ページのほとんどは、アマゾンの試し読みで読めます。よんでみてください。
ガサガサが好きな人にはおススメかどうかというと、他の図鑑を持っておらずこれからガサガサしたいなぁという人には適しているかも。よく似た小魚の見分けページは見やすいから参考になると思う。魚種別に釣りを含めた捕り方も具体的に書かれているので参考になります。
この本に限らず不満なところ
最新版の魚とりの本というところで期待していた部分の一つが法令関係です。マナーや外来種、国内外来種、などよく話題になることにも複数回きさいがあります。でも、具体性に欠ける。特定外来種を捕ったらどうするのか?ちゃんと書いてほしい。逃がしていいのか?
法令関係の犯しやすいう犯罪は内水面という言葉を出して解説してほしい。テレビやYoutubeでも密漁になるケースも多々あるようだし。都道府県に確認しましょうとは書かれているけど、例えば東京ではどうなっているとか。○○県はブルーギルの再放流が禁止されているとか、具体的な情報がなければこの手の本は存在価値がぐっと下がり、密漁の推奨本ともなりかねません。
とにかくこれまでの本のように、マナー・ルールを画一的に紹介するだけでなく、現実的に役立つ情報が欲しい。最新の魚とりの本ですから。
あいまいになりやすい、漁法の分類もきちんと載せてほしい。例えば、たも網は徒手に含まれるという人もいれば、網自体が違法漁法になると主張する人もいる。
だが、このガサガサは、都の内水面漁業調整規則で禁じている「押し網」にあたるという。違反すると、6カ月以下の懲役や10万円以下の罰金といった罰則もある。都水産課は「魚資源の保護のため」と説明するが、実際に摘発された事例は「知っている範囲ではない」(担当者)という。
https://www.asahi.com/articles/ASM8G5G6RM8GUTIL02F.html
自分は福岡だけど、例えば筑後川水系はさで網が禁止されている。徒手は遊漁量が必要。ではたも網は?ちんぷんかんぷん。
ご購入
最初はこの本図鑑じゃん、騙されたーと思ってしまいました。でも、図鑑部分は中々読みごたえはあります。筆者の個人的な体験や感覚で記載されているところもあるかもしれませんが、実際にそうやってとったという情報としては確かなものです。
ガサガサ初心者の人にも、ハマっている人にもお勧めの本です。ぜひ読んでみてください。
タモ網1本で始められる魚とり
ルー大柴のリバーとトゥギャザー
ガサガサの楽しさが伝わってくる本。実際にいくつかの川でガサガサしている様子や捕れた魚などが紹介されている。基本解説や簡単な図鑑、飼い方、最後にはルー語辞典などもある。