2025年福岡県チクシブチサンショウオ発見記、春の夜の沢は楽園だった

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お魚ガチが書きました
歩き方

自然大好き一家で自然保護協会家族会員。自然観察指導員 。熱帯魚はベタ、日本淡水魚はタナゴその他を20本以上の水槽で飼育中。
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去年2024年の記事

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2025年もチクシブチサンショウウオ発見

1/1000の地図。沢の表記は無いけど、地形的に小さな沢があるはず。実際に1mほどの沢が青線のようにありました。これは実際の場所ではなく一例です。

前年の沢でサンショウオ二個体を発見できましたが、規模が小さかったので同じ山域で少し大きな沢を探しました。

地図とにらめっこしたら少し流域が広そうな沢を発見。しかも傾斜が緩やかで距離も長そう。入渓してみてダメだったら去年のスポットに行ってみる計画で夕方に出発!!

場所は福岡県内の山間部です。

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こんな沢だった

日が落ちた直後、この後すぐに暗くなりました。自然林の沢です。
サンショウオを探しながら小さな沢を遡る。
伏流水的な小さな沢もチェック。

周辺の枯れ木の下なども確認しつつ、沢の中や周辺を目視で小型サンショウウオを探しながら登っていきます。

20分ほどは全くそれらしい生き物はいませんでしたが、ようやく水中にいるチクシブチサンショウウオを発見。捕まえようとしたらすぐ石の下に隠れて捕獲は失敗。とわいえ、一匹目の発見で一安心。この日の最低ノルマクリア。

その後、次々と大きなチクシブチを発見しました。1か所で2匹とか、すぐ隣にもう一匹とかいました。しかしどこも捕まえにくい感じですぐ石の下に入ってしまいます。動かせないほどの岩の下に入るとすぐに見失います。適当に手を突っ込んでも触ることすら不可能。連れ帰る気はないので、別に捕まえなくてもいいのですが一匹くらいは間近で見たい。

浅い所にいたらわかりやすいですが、ほとんどが10から20㎝の小さい淵っぽい所にいました。落水部分は泡等でまったくわかりません。この感じはチクシブチサンショウオですね。
手でつかんで網に入れると安心。掴むと暴れる個体がいます。若干小さな個体。「か」「か」「か」「か」「かわいい」
観察ケースにいれてみた。サイズは11-12cmくらいかな。この個体は片目がつぶれて無くなっていました。だいぶ前に怪我したのでしょうか?目そのものが埋没して消えていました。
1mほどの小さな落差の滝が10近くありました。滝はそのまま上ったり、横から登ります。このような滝は小さいながらも水が溜まりやすい滝つぼができるので重要です。水量が少ない時にもサンショウウオが利用できるからです。特に幼生には重要でしょう。
タゴガエルを発見
後半はこのような滝も出現。この上にはもっと大きな滝があり、登れなくなっていました。

最後の最後は登りつづけると10m?あるかと思うほどの滝。こんな立派な滝があるとは想像していませんでした。大きさ的に夜は画像に撮ることが不可能なほど。周辺地形は前も両脇も崖。

おそらくこの沢は超絶マイナーなので最後の滝を見た人は極少数なはずです。昼間ならもっと上に行けたかもしれません。行ってみたいです。

帰りには岩の上のサンショウウオ発見

帰りに岩の上にも発見。暗いからブレ写真連発です。

10個体見つけたうちで、この個体だけが岩の上にいました。

背中に山桜の花びらを付けてなんともオシャレ。最初はチクシブチと思っていましたが、よく見たら雰囲気が何か違う気もします。コガタブチかも?

捕まえて水につけながら観察。手で持つときは水につけながら持ちましょう(もしくは手袋)。体温が影響を与えますから。水温は10℃前半でめちゃ冷たかったです。なんとなくコガタブチのような気もする。
左は明らかにチクシブチだけど、右はコガタブチ?背中にも白斑があり、その白斑が僅かに茶色に濁っている。

やっぱりコガタブチかもとおもったけど、自信はありません。やっぱりやっぱりコガタブチはもっと斑点が小さい気がするから違うかもと。もっと厳密に写真撮っておけばよかった。チクシブチとコガタブチを同時に撮影すれば違いがさらに分かりやすいはず。更にお腹とかも。まぁ種類はどっちでもいいですけど。また来る理由としておきます。

この二種は見分け難いとされています。見分けについて詳しくはWEB両爬図鑑を参照してください。ちなみに、ブチサンショウウオは生育していない山域です。

こちらは別の山域で去年見つけたコガタブチサンショウウオ。「か」「か」「か」「か」

まとめ・注意点

夜で山奥なので注意して行動する必要があります。携帯電波も絶望的です。谷底なのでGPSすら怪しい。ライトは必ず複数用意しよう。

今回、福岡県の某所の小さな沢でチクシブチサンショウウオを10個体観察することが出来ました。

今回、サンショウウオを見つけたののほとんどが沢の中でした。水の中にいたのは産卵のための出会いの為か、餌を食べるためでしょう。水の中はなんとかカゲロウっぽい幼虫が沢山いたのでそれを食べていたのかもしれません。羽化した虫がライトに集まる時もありました。また、伏流水の箇所も沢山あったのでその中で産卵している可能性も高いです。

夜のサンショウウオ探しの注意点

  • 触る時は手の温度に注意する。ゴム手袋を用意するのもアリ。
  • ひっくり返した枯れ木や石は元に戻す。
  • 強い光を近距離で当てるのはよくない。
  • 小さい網があると便利。
  • ライトは複数。替え電池も用意。

春の夜のサンショウウオ探しは沢山見つけられたので大勝利でした。サンショウウオを新規の沢で発見できて一安心。

機会があればまたさらに別の沢にも行ってみたいと思っています。

種の解説|福岡県レッドデータブック
福岡県の希少野生生物・福岡県レッドデータブックでは、絶滅の恐れのある福岡県内の野生生物についての解説をしています。
種の解説|福岡県レッドデータブック
福岡県の希少野生生物・福岡県レッドデータブックでは、絶滅の恐れのある福岡県内の野生生物についての解説をしています。

使用した道具

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ライトにもランタンにもなる。完全防水ではない。
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明るいのはやはり便利。バッテリーが減るので常時最大では使わない。