九州各県にいるサンショウウオまとめ

- 福岡県-カスミサンショウウオ、コガタブチサンショウウオ、ナガトサンショウウオ、ブチサンショウウオ、チクシブチサンショウウオ
- 佐賀県-カスミサンショウウオ、コガタブチサンショウウオ、ブチサンショウウオ
- 長崎県-カスミサンショウウオ、ブチサンショウウオ、ツシマサンショウウオ
- 大分県-オオサンショウウオ、カスミサンショウウオ、チクシブチサンショウウオ、ニホウサンショウウオ、チクシブチサンショウウオ、ソボサンショウウオ、オオイタサンショウウオ
- 熊本県-カスミサンショウウオ、チクシブチサンショウウオ、コガタブチサンショウウオ、ベッコウサンショウウオ、ソボサンショウウオ、アマクササンショウウオ、オオイタサンショウウオ
- 宮崎県-カスミサンショウウオ、ベッコウサンショウウオ、コガタブチサンショウウオ、ミヤザキサンショウウオ、ソボサンショウウオ、オオイタサンショウウオ、ミヤザキサンショウウオ
- 鹿児島県-カスミサンショウウオ、ベッコウサンショウウオ、コガタブチサンショウウオ、オオスミサンショウウオ
- 沖縄県-サンショウウオの発見例無し
※赤字は捕獲禁止の種類 販売はほぼすべて禁止
オオサンショウウオ

九州にもオオサンショウウオは生育している。福岡県にもいたらしいが発見例は古い。
近年、駅館川中~下流部や他支流での発見例が増加しています。今後も発見される可能性があります。その時には、宇佐市教育委員会社会教育課文化財係までご連絡ください。
オオサンショウウオを見つけたら
分布-大分
環境-小中規模河川
国内希少野生動植物(捕獲、販売、飼育禁止)

ナガトサンショウウオ

山口県の東部と北九州市の一部の池にいるサンショウウオ。九州の極一部にしかいないということになる。太古の昔陸続きだったころの名残か。
分布-山口、福岡県の一部
環境-池などの止水
ほぼカスミサンショウウオなので特定第二種国内希少野生動植物(販売禁止)
カスミサンショウウオ


以前はカスミサンショウウオという名前は幅広く使われていたが、研究の結果沢山の種類のサンショウウオに別れた。九州には元祖カスミサンショウウオが生育している。
池や休耕田など人里に近い場所にもいるので最も身近なサンショウウオと言えるが成体を見つけるのは難しい。3-4月ごろにくるっと丸まった透明の卵塊を産む。ヒキガエルと時期や場所が被る場合も多い。
このカスミサンショウウオは福岡県で海岸から1㎞少々の森で見つけた。福岡県では標高に関係なく森の中の小さな池や水たまりに人知れず生き残っている。自然度の高い田んぼ近くにも生育しており、ツチドジョウと呼ぶ人もいる。
分布-福岡、佐賀、長崎、熊本、鹿児島
環境-池などの止水
特定第二種国内希少野生動植物(販売禁止)、鹿児島県では希少種にしていされ捕獲禁止
コガタブチサンショウウオ

九州の代表的な流水性のサンショウウオ。山間部の沢に生育しているが、どこにでもいるわけではない。生体を見つけるのも難しい。伏流水の出るようなところの奥の石に産み付けられる。夏・秋には幼生も見つかる。
この個体は福岡県内の原生林の沢を遡っていて倒木を返したら発見した。大きな石や倒木が多く、沢が近くにあり湿ったような山中を探せば見つかるだろう。しかしながら、福岡で見つけるのは難しい。チクシブチとコガタブチが同居しているエリアもあるそうだ。
分布-長崎県を除く九州全域 福岡、大分、佐賀、熊本、宮崎、鹿児島
環境-山間部の流水
特定第二種国内希少野生動植物(販売禁止)
チクシブチサンショウウオ


チクシの名を冠したサンショウウオ。この個体は福岡県内で発見した。4月なので産卵が近くなりメスを探しに来ていたのであろう。しかしながら、周辺環境は開発等で沢が分断されており非常に厳しい状態と感じだ。
分布-福岡、熊本、大分 九州の北東部
環境-山間部の流水
特定第二種国内希少野生動植物(販売禁止)

ブチサンショウウオ


脊振山系にいるサンショウウオ。細かい沢にいるが成体が見つかるのは稀。福岡県内では背振山系にしかいない。チクシブチとブチが一緒にいる山域は無いので、どちらかの選択。
分布-九州の北西部(福岡県・佐賀県・長崎県)
環境-山間部の流水
特定第二種国内希少野生動植物(販売禁止)

ニホウサンショウウオ

分布-大分県の一部
環境-池などの止水
宇佐市の条例により捕獲禁止らしい
ツシマサンショウウオ
分布-長崎県対馬
環境-山間部の流水
特定第二種国内希少野生動植物 県により採取禁止
ソボサンショウウオ
分布-大分・宮崎 祖母山系
環境-山間部の流水
国内希少野生動植物(捕獲、販売、飼育禁止)
アマクササンショウウオ
分布-天草諸島
環境-山間部の流水
国内希少野生動植物(捕獲、販売、飼育禁止)
棲息地は厳重に保護されているらしい。
ベッコウサンショウウオ


九州脊梁山地の源流部で発見。二本の沢で幼生を確認した。捕獲は禁止なので観察だけが可能。おそらく結構広い範囲にいるとは思うのだが、山の荒れ具合が気になる。
分布-宮崎、熊本、鹿児島
環境-山間部の流水
特定第二種国内希少野生動植物(販売禁止) 天然記念物等で捕獲禁止

ミヤザキサンショウウオ
これまでオオイタサンショウウオとされていたが宮崎市南部にいるサンショウウオ群がミヤザキサンショウウオと名付けられている。23年5月なので九州で最も新顔のサンショウウオ。
見た目の違いは少ないそうだ。
分布-宮崎市南部
環境-平野部の池
ほぼオオイタサンショウウオなので特定第二種国内希少野生動植物(販売禁止)
オオスミサンショウウオ
分布-鹿児島県大隅半島
環境-山間部の流水
国内希少野生動植物(捕獲、販売、飼育禁止)
最後に

九州にはオオサンショウウオも含めて、13種のサンショウウオが生育しているようです。研究が進むとさらに増えるかもしれません。
これらサンショウウオは数も減っています。その理由は産卵に適した池や沢の減少です。多くの種が捕獲飼育販売が禁止されています。
まだ見たことが無いサンショウウオが何種類もいるので、今後も時機を見て観察していきたいと思います。
もし家で飼いたい人は、カスミサンショウウオ等の止水系のサンショウウオを幼生の時に捕まえて飼うとイイでしょう(流水は温度管理が難しい。クーラー等が必要)。我が家ではナガトサンショウウオを飼っています。飼育可能な種でも成熟個体は貴重ですので観察後に状況を見てリリースすべきです。