熊本のイチモンジタナゴは国内外来種
イチモンジタナゴはそもそもは琵琶湖に在来で生育したタナゴです。湖鮎漁の邪魔になるほど沢山いたらしいですが、今は琵琶湖ではほぼ絶滅だそうです。80年代にはもう激減していたとのことでその理由はブラックバスとブルーギルとされています。
その貴重なイチモンジタナゴですが、九州では熊本の江津湖・緑川水系に国内外来種として増えています。江津湖では流れがありバスが少ない上江津湖に多いです。
上江津湖でイチモンジタナゴが泳ぐ様子を見ていると、いち早く琵琶湖でバスに食害された理由が思いつきます。イチモンジって岩の周りで食事に夢中で結構目立つんですね。群れているようで群れていない。
イチモンジタナゴは本来は止水系のタナゴとされており、河川のワンドやたまりなどに流れの無いところに適応しています。完全な溜池でも繁殖しています。
しかし、江津湖では流れのある所で生育・繁殖しています。湖っぽく流れが無いところにはブラックバスやブルーギルがいますからね。
熊本のイチモンジタナゴは湖鮎の放流で緑川水系に入ったと考えられています。80年代には移入していたそうです。主な産卵対象はドブガイなどなのでバラタナゴと競合しています。生育環境ではヤリタナゴやセボシタビラと競合しており、在来タナゴへの影響は確実に存在していており、増えすぎは問題です。
本来の生育地にはほとんどいないのに、熊本では増えて問題になるという複雑な立場にいるタナゴです。国内外来種とは何か?と考えさせられます。
熊本市の江津湖周辺で確実に見たいなら、熊本市動植物園の水辺のインフォメーションセンター(無料)で確実に見れます。フィールドで見たいなら、流れがあり少し浅く綺麗なところを探してください。
釣れたイチモンジタナゴ
イチモンジタナゴの外見上の特徴は側線です。追星は発達しやすいですが、髭は短いタイプのタナゴです。体形は細長く、タナゴをよく見る人はすぐイチモンジと判別できます。シルエットではタナゴとオイカワ類との中間って感じですかね。
釣る場合は、エサには活発に食いつきますし、サイズ的にも釣りやすいです。
飼育水槽
イチモンジタナゴは飼育はさほど難しくないです。ナワバリは主張しますが、アブラボテほどではありません。エサも活発に食べるし特段に弱い印象もありません。
ただ、飼育環境ではほとんど産卵管が伸びないので繁殖は難しいです。ヤリタナゴとかと同じ感覚です。
熊本でイチモンジタナゴを釣るには?
イチモンジは緑川水系にいます。江津湖周辺から探したらいいです。浮島神社周辺にもいます。
活発な時期は4月から7月ですね。
熊本でタナゴを探すなら、イチモンジをぜひ見つけてみてください。