ヤマグチサンショウウオから新たにナガトサンショウウオとニホウサンショウウオが新種記載
論文や新種の記載については詳しくないのですが、とにかく2019年に新種記載されたヤマグチサンショウウオから新たに二つのサンショウウオが分割されました。カスミサンショウウオが沢山に分かれて話題になりましたが、さらに分割されたわけです。
ヤマグチサンショウウオは山口県内でも二つの市町村にしか生育しておらずとても珍しい種類となります。山口県の西部地域はナガトサンショウウオという名前です(福岡県北九州市門司区にも)。大分県に飛び地のように生育していた旧ヤマグチサンショウウオはニホウサンショウウオという名前が提案されています。
26の地点での採取した個体のミトコンドリアDNA解析により3種に分けられています。似ているので採取地域により見分けることになりそうです。
というか、山口東部はサンショウウオの種類数がすごいですね。もしかして日本一じゃないだろうか。
参考にした論文
各サンショウウオの画像が無ければ違いが判らないので引用の範囲内で転載しています。英語も翻訳。
画像でわかる違いといえば、尾の形状です。ヤマグチは自然に細くなり、ナガトはキュッと細くなり、ニホウは丸くなっています。詳しくは不明。
ヤマグチサンショウウオ
和名:ヤマグチサンショウウオ 山口山椒魚
学名:Hynobius bakan
名前の由来:山口県 学名のbakanは下関の古い名前。ただし、下関市には生育しない。
生息地:宇部市、山陽小野田市のみ
特徴:全長がニホウサンショウウオより長め。
その他:生息地が狭く、個体数も少ないため最大限の配慮が必要。生息地も人里に近い。
ナガトサンショウウオ 長門山椒魚
和名:ナガトサンショウウオ
学名:Hynobius nagatoensis sp
名前の由来:長門の地名から
生息地:下関市、長門、美祢、宇部、他山口県各市、北九州市門司区
生息環境:照葉樹中心の混成林
特徴:雄は尾が長め。黄色の線が明確。幼生のとき明確な斑点がある。産卵期は12月から4月で卵のうはとぐろを巻く。頭が丸っこい?
ニホウサンショウウオ 二豊山椒魚
和名:ニホウサンショウウオ
学名:Hynobius H.nihoensis sp
名前の由来:宇佐市と豊後高田の境付近の付近の昔の地名、二豊とかいてニホウ。ニホでも二ホンでもないから注意ね。
生息地:豊後高田市、宇佐市 中津市?
生息環境:混成林
特徴:頭の横幅が狭い。尾の黄色は薄い。幼生はナガトサンショウウオに似る。産卵期は1月から3月で卵のうは長くとぐろを巻く。遺伝子的にはナガトよりヤマグチの方に近い。
その他:生息地が狭く、個体数も少ないため最大限の配慮が必要。生息地も人里に近い。
我が家のはナガトサンショウウオのようです
我が家で飼っているサンショウウオがいるのですが、幼生を採取した池につい先日(12月下旬)に行ってみました。そういしたら成体がネットイン。産卵期が近いから池に来ていたのでしょう。池の周りの石の下や落ち葉の下を探せばもっと見つかったかもしれません。
お腹が大きいのは産卵を控えたメス?安直だけど。論文によれば12月中から産卵始まる時もあるようです。触る時は手を冷やして触りましょう。
山口の県のサンショウウオは8種
8種いる可能性がある。旧カスミサンショウウオが準絶滅危惧種だったが近年の細分化に伴い現在はDD、つまり情報不足というところかも。1Aでオオサンショウウオ。
- ヤマグチサンショウウオ 山陽小野田・宇部
- ナガトサンショウウオ 下関市
- アブサンショウウオ 萩・阿武
- イワミサンショウウオ 島根との県境
- チュウゴクブチサンショウウオ 東の県境
- ハコネサンショウウオ
- シコクハコネサンショウウオ
- ヒダサンショウウオ
関連エントリー・リンク
サンショウウオの本
ナガトサンショウウオが載っている図鑑はまだない。日本のサンショウウオ: 46種の写真掲載はヤマグチサンショウウオが載る最新の本だぁ。買おうかなぁ。