そういえば、去年有明海のタイラギを見つけました。
干潮時にデカい貝いるなと思い掘り出してみました。黒い紐みたいなのが出て砂礫にしがみついていて掘り出す感じになりました。黒い糸は足糸というそうです。もちろん生きているから足糸が出ているわけです。大型の貝なので他の貝や、タイラギの子供?もくっついていました。こんなにがっちり埋まっているもんなのねと興味深かったです。
タイラギは二種類いますが、これはケンガイというやつでしょうね。昔は生息地の環境で貝の表面が変わると思われていましたが、実際には別の種類でケンガイとスベガイらしいです。雑種もいるとのこと。
- ケンガイー表面がざらざら波模様
- スベガイーつるんとしている
この時はもしやこれはタイラギ?と思いなおし、写真を撮って元に戻しました。
掘り出した場所は有明海の一角。賢い人は山の形で場所わかるでしょうけども、船が無いとこの場所にはには来れないのです。
なんせ、こんなところだから。
掘り出したのは巨大なタイドプールの海水の流出口。流れがある所は砂地でフグが沢山砂と同化していました。アカエイやボラ?などが泳いていました。漁師さんがタコつぼを沈めていたのでタコもいるんでしょうね。イソギンチャクも居ました。
有明海では流れが速い所は砂礫や砂です。泥ではありません。タイラギの数の減少は簡単に言えばヘドロ化しているからです。流れが速い所は砂や砂礫なのでタイラギが生き残っています。
有明海は瀕死でヘドロ化している箇所が増えていますが、主な原因は海苔の養殖と諫早湾。ノリの酸理剤が原因というのは有名ですし、ヘドロ化の原因としてはかなり確率が高いです。建前ではいろいろ気を付けて対処しているから問題ないとされていますが漁師さんたちが本当に、各種の決まりを守っているか誰もチェックしていません。そのうち熊本の産地偽装アサリのうに問題化するんじゃなかろうか?
かつての有明海のタイラギ
かつて有明海にはたくさんのタイラギが生息していて、なんと1秒に3個も取れたらしい。1秒に1個取れたという話もありますが、それ以上獲れたそう。隙間なく海底にびっしりタイラギがひしめいていたらしいけど。今ではほぼ絶滅。
漁も行われていません。潜水士さんたちは仕事が無くなったので、海底作業員として日本どころか世界中に出稼ぎしているそうです。といっても、元々数が少なかったから仮にタイラギが増えたとしても漁が復活するかどうかも怪しい。
宝の海を返せ!!!!
問題は海苔漁業と諫早湾埋めてて、それと覆砂事業です。
海苔漁業は各種薬品でヘドロ化させている。あれだけ竿と網を海に縦たら潮流すら変化するでしょう。諫早湾は埋め立てにより、有明海全体の時計反対周りの潮流が弱くなりました。諫早湾は有明海のポンプとなってた、らしいのです。有明海は流れが速い所は砂礫、遅いところは泥。そこに埋め立てによって潮流が減ったことで更に泥が増えた。荒尾あたりは干潟は砂礫で鹿島あたりは泥というのは、有明海が時計と反対周りの潮流だからです。そのゴール地点の諫早湾は、稚魚たちが集まる有明海の中のキングof揺り籠でした。諫早湾は有明海の中でも特に穏やかで潮流が緩やかだったのに、その緩やかな湾が全体の潮流を早める役割をしていたとはとっても興味深い。
諫早湾が埋め立てられたことで、以前は有明海は潮のタイミングにより濁ったり透明になったり変化したのがいつも濁るようになっています。海をよく見ていた人には一目瞭然の変化だったそうです。
有明海は濁っているというイメージですが、以前は透明なタイミングもあったのです。
そして極めつけは覆砂事業。
沖合に大型船が停まって、年がら年中大量の税金を投入して砂を投入しています。表向きは砂を入れて泥の部分を減らし、アサリなどを増やすためとされています。しかし常識的に考えて、は?です。なんで、そういう風に自然に逆らうの?漁師さんは裁判まで起こして明らかにこの事業に反対しているのに。確かにアサリが増えたというデータもありますが、単に稚貝を放流しているから増えてるんです。そりゃ増えるの当たり前だろうという話です。
漁民の声すらも聴かず毎年大金をかけて有明海に砂を投入している。玄海灘からわざわざ持ってきて埋めているそう。実はこの事業、埋め立て業者をつぶさないために福岡県はやっているのです。
長良川河口堰もシジミがほぼ絶滅したのに、稚貝撒いているところのデータを出して、いや減ってないと国土交通省は言っています。単純に海に砂を投入したらそこにいた生物はどうなる?もうほんと今ママでさんざん有明海をいじめてきたのに、資源回復の名目ので更にいらんことすんなや。