前回の記事
二枚貝が沢山生育していてタナゴも泳いでいた川の浚渫工事が入る前に二枚貝を少しですが工事個所以外に逃がしました。その後どうなったのでしょう?
浚渫工事後の河川はこのようになった
今日川に行くとこのような状態でした。2月下旬に終わるとことでしたが、期間が変更されて三月下旬までと看板に書かれていました。杭は打たれたままでしたが、工事は終わっているようです
幅8mほどの川のおよそ半分が掘り返されています。深さはおよそ50㎝ほど掘られたようです。
単純に水草や二枚貝は半減したと考えていいでしょう。全面的に掘られなかっただけマシなのかもしれませんが、寂しいですね。一方で、この川は梅雨の時期はスレスレまで水が上がってきていたので近隣の人にしたら安心度は確実にアップしたのは明白なので、この点を考慮すれば良かったといえるのかもしれません。
掘られた箇所は細かい泥です。深さに変化ができるので水流が複雑になり、泥が川全体に広がって、さらには下流も泥っぽくなっていました。深さに変化が付いたことで、水流は早くなっています。
本来は砂礫と水草の川です。掘られたところは歩けば足がぬめりこみますが、掘られていない場所はぬめりこみません。
エビモの他にもセキショウモやアナカリスが生育しています。
貝も探しましたが、死骸は多いけど生きてるのは少なかったです(見つけるのが下手なだけ)。
タナゴはたくさん泳いでおり、ヤリタナゴとアブラボテが多かった。他にはカワムツ・オイカワ・コイ・フナ・ハス・カマツカ等を見かけました。
ヤリは綺麗な色で釣ったら楽しそうでした。
セボシタビラらしき魚を見つけたので、カメラで撮ってみましたがヤリタナゴでした。ヒレが白い!!!と思ったら、水カビ病になっていたっぽい。
タナゴはおそらくこんな感じ
これは数日前にこの上流域にあたる我が家の近所で釣ったタナゴ。ヤリがとにかくきれい。セボシタビラにも負けない色です。
理想的な浚渫とは?
川底を深くする浚渫工事は必要な工事であることは確かです。水田地帯の川や水路は年々泥がたまってきます。梅雨の時期の雨やゲリラ豪雨のことを考えると浚渫自体は必須。あとはどれだけ魚や貝に負担が少ないようにやるか。確かにこの川は梅雨の時期の余裕はなかったです。
浚渫についてはオイカワ丸さんという研究者の方が解説している記事があるのですが、これを見ると今回のやり方は環境や生物に配慮された方法と言えます。
とわいえ、明らかに半減以上。泥の巻きあがりも想像以上、なんだかんだ言って環境に与えるインパクトは相当なものでしょう。水深や水流も変化し、一部が深くなったことで従来の部分が浅くなり陸地化している部分がありました。
理想としては表面を残して下のほうだけ掘れたら文句なしですが、そんなの無理だし。今回は環境や二枚貝に配慮した浚渫工法であることは間違いないので、結果的には幸運で恵まれたケースになりました。
ではなぜ、今回は二枚貝に配慮してもらえたのか?それはやながわ有明海水族館にこの川の工事のことを知らせからです。当時の副館長さんが業者に掛け合ってくれてからでした。ありがとうございました。