いってきましたよ。高級食材、福岡の伝統食スイゼンジノリの故郷である黄金川。TVで見た時とってもきれいでいつかは行ってみたいと思ってました。想像の100倍良かった。規模は小さいけど気持ちいい川。福岡には湧き水スポットは少ないから貴重です。
防水カメラを持ってレッツゴー!県民は絶対に行くべきスポットですよ。
黄金川とは?
黄金川は福岡県朝倉市にある小河川です。古くは屋永川という名前でしたが、江戸時代にスイゼンジノリを商品化した時に黄金川(こがねがわ)という縁起の良い名前に変わっています。
元々は複数個所の湧き水が川となっていました。現在は水位の低下に伴い、地下水をくみ上げて維持されている川です。夏は冷たく、冬は暖かい地下水を水源とするとても水が綺麗な川。水深は浅く、20-30㎝程でした。時期も関係しているのかもしれません。
この川を利用して高級食材「川茸」が栽培されています。川茸はスイゼンジノリという原始的な藍藻のことです。水が綺麗なところにしか生えず、福岡ではここだけ。源流部はウットリするような水草の川、川幅が広くなり追加で水も湧いている所からがスゼンジノリの栽培地になります。
見学する際の注意点
黄金川の最上流部は井戸水のくみ上げポンプです。栽培地で近くではなく、水源の方にちゃんと駐車場があるのでそこに車を停めてください。黄金川は駐車場から水源までの100m少々の水草保護エリアと、駐車場から下流のスイゼンジノリ栽培エリア500mほどの長さに分かれます。さらに下るとスイゼンジノリの加工販売を行っているお店があります。
駐車場付近にはたくさんの水草が生育しています。栽培地の方は定期的に水草が排除されており、綺麗な川を見たいのなら、駐車場付近だけでも楽しめます。
水草は非常にデリケートなので網でガサガサしたりしないようにね。下流に水草を抜いて流すのも迷惑です。草刈りやヒメバイカモなどの保護エリアですので、マナー良く見学してください。できれば水中okなカメラを用意したい。
魚はオイカワがいます。
黄金川の様子
水草
黄金川は水温と水質が一定なので水草の楽園となっています。夏場は水路を埋め尽くすし、ノリ畑の方に流れてくると問題になるので定期的に水草が取り除かれていそうです。取り除かれているけれども、それが刺激となって常に新鮮で元気がある水草が育つことになり、黄金金川の美しい景色を作り出しているんでしょう。
ミズハコベ 水中葉
ミズハコベ
阿蘇の湧水池にも生育する水草。かなり華奢で根の張りも浅い、しかも茂って抵抗を受けやすいので、流される。流れが無く浅い所では陸上葉を出す。あまりに大きくなると水深がある所では自らの浮力で浮き上がってしまう。
※もしかしたら違う種類かも。水草ハンドブックのミズハコベとは違うんだよなぁ。イケノミズハコベという外来種も存在する。
キクモ 水中葉
キクモは在来種の水草。水上用になると歯が避けてギザギザ。わずかに赤く紅葉する在来では珍しい水草。アクアリウムで流通するキクモは東南アジア産を品種改良した種になる。印象では在来の方が大きく頼りになる感じ。在来とも交雑するので要注意。
アクアリウムではトリミングした水草は必ずゴミ箱へ。間違っても排水溝へ流してはいけない。
セキショウ
これはセキショウ、葉の先がとがりっているのでセキショウモとは違うのがわかる。この川では、畑部分にセキショウが一列に植えられ流されたスイゼンジノリを集める役割がある。
カヅノゴケ ウキゴケ リシア
日本名カヅノゴケは鹿角苔という意味。ウキゴケともいわれる。ボール状になってある程度大きくなると自らの浮力+気泡で浮いて流れていくる。アクアリウムにも使われるリシアとほぼ同種。Co2を添加すれば成長が早く明るい色で映えるが、CO2を添加しない水槽には適していない。野生個体は多くのゴミや生物が中に入り込んでおり、水槽に入れるのは湧き水の池で拾ったとしてもお勧めしない。水草水槽なら専門店で買うのが安心。メルカリなどで野生が売られているが、買わない方がいい。
九州では主に湧き水の池や川・水田・湿原に生育する。
オオカワカワヂシャ
カワヂシャは春になると水上葉を出して花を咲かせる。
葉が大きく茂るので川の流れを弱めるほどで、この川では定期的に排除されている。ヂシャという名前の通り食べらられるらしい。確かに美味しそうに見えるのだが、ネットで調べる限り美味しいという人と不味いという人がいる。
明るい黄緑色だから外来種のオオカワカワヂシャっぽい。
ヒメバイカモ 環境省絶滅危惧ⅠA類
この川のシンボル。ヒメバイカモ。以前はほとんど生えていなかったが、保護活動の結果、川を覆いつくすほどまで増えている。条件さえ合えば繁殖力がすごいのだろう。確かに全国の有名なバイカモ生育地では大群落を作っている。葉は濃い緑で細い。
生育には綺麗な水と水流、低温が必要なので水槽やビオトープでは育てられない。
ウィローモス ヤナギゴケ
ウィローモスはアクアリウムではお馴染みのレイアウト植物。日本名はヤナギゴケ。水源近くなどで見ることができますが、湿気の多い普通の川にも生えます。
水草レイアウトでもお馴染み。ガンガン増える丈夫な植物。山の沢などにも多いし、住宅地の薄暗い水路の壁にも生えている。
生物
コガタノゲンゴロウ
コガタノゲンゴロウです。小型だけどデカい。
地下水で暖かいのでハビタットとなっています。手づかみで取れるほどいます。というか、この川でタモは振るえない。
ゲンゴロウの幼虫はドラゴンみたいで必見。春には見てみたい。
カワニナ
他にもサカマキガイなどがいた。魚はオイカワがいました。ホタルの時期はホタルも飛ぶそうです。
スイゼンジノリを扱うお店
スイゼンジノリは絶滅危惧種ですが、地下水のくみ上げでようやく生き残っているといえます。ですから、スイゼンジノリ商品を買って食べると、この貴重な植物の保護にもつながります。今回は日曜なので閉まっていました。
営業時間 9時~17時 休業日 日・祝祭日
どうななる小金川?
小金川は湧水を源とする川ですがダムなどの影響により自然湧水がとまり、今ではポンプでくみ上げられています。年間のポンプの電気量180万円らしいです。地元やスイゼンジノリ業者さんの努力でこの環境が保たれています。
今回も水位が低く、一般的なイメージの川の規模がありません。水路という感じ。
詳しくは下記リンクを読んでみてください。スイゼンジノリの加工方法などにも詳しくなれますよ。