福岡のマツカサガイについて
マツカサガイはイシガイ科の二枚貝です。福岡県では絶滅危惧Ⅱ類に指定され、全国規模の環境省では準絶滅危惧種に指定されています。
福岡県南部の我が家の近所ではシジミに次いで最も多い二枚貝です。砂礫のところにいます。イシガイよりも数は多い。潜りやすい貝なので網で砂礫をすくうととれます。時にはひと網で3個とか入ります。
タナゴの産卵欄の時期にマツカサガイを持ち帰って観察するとほとんどの場合アブラボテが浮上します。アブラボテがたくさん泳いでいて砂礫のところなら探せばこの貝が見つかる可能性は高い。
似た貝としてはニセマツカサガイがありますが、自分は捕ったことありません(たぶん)。ニセの方が最大サイズが小さく、角ばったところが無いみたいです。
マツカサガイが沢山いる水路
タナゴ楽園水路と呼んでいる水路があるのですが、そこの下流に沢山います。田園地帯の何の変哲もない三面コンクリートの水路。その水路の砂礫がたまったところでタモで石ごと掬うと取れます。土と石の境目や、石とコンクリートの境目などに多くいます。
これだけ多いと川を見ただけでも見つけられそうですが、ほとんど見えません。上からは見えません。見えたとしても貝殻だけだったりします。ここはシジミも多く、シジミの殻はたくさん見えます。
この水路にはヨシノボリも生育しています。去年石の裏に卵を見つけました。マツカサガイの稚貝はヨシノボリなどに寄生して育ちますから、貝を探すときのヒントにもなります。
マツカサガイもイシガイもドブガイモこの殻頂の白を頼りに見つけます。
その他
この貝は水槽に入れると潜りがちです。口を閉じているときも多い。タナゴの産卵母貝としては使いにくいです。せめてイシガイを使いたいところ。あえて使うならカゼトゲタナゴ用でしょうか。
二枚貝としては丈夫な部類かと思います。屋外水槽で魚飼育に適した水を維持し水流があるなら水温にさえ気をつければ長期飼育も可能です。室内の場合でも貝の状態が良ければ1年以上飼うこともできます。でも産卵用には使いにくいから、わざわざ飼う貝ではないですね。
姿がカッコいいから眺めてウットリする二枚貝です。