ブラックウォーターとは?

アクアリウムでのブラックウォーターとはわずかに茶色に濁った飼育水のことです。タンニンという成分が色の正体。病気を防ぐためにブラックウォーターにします。特にベタ飼育では定番の方法です。
ベタの場合は単体飼いの小型水槽で濾過なしの飼育の方法がアリますが、ブラックウォーターだと病気が防げるのです。
特に白点病やコショウ病の予防効果は高いです。ただ、すでに発症している場合は効果は期待できません。あくまで予防。
ブラックウォーターにする方法はいくつかありますが、どの方法でもPHを下げて酸性にし、さらに軟水にする効果があります。具合はは水の色好き具合と比例しています。病気を防ぐ理屈ですが、単純に飼育水が細菌や病原体が住みにくい環境になります。
また、茶色になることでアマゾン川のような雰囲気になり見た目の変化も楽しめます。


ブラックウォーター、魚に対しての利点や欠点
- 糞や分泌物を凝固させる
- 病原菌や雑菌が繁殖しにくい
- ベタが落ち着いたり、産卵の気分を出させたりできる
- ライトの明るさを低減できる
- 魚の健康に対しての欠点は特に無い。
- 白系などのライトカラーのベタは色がくすむ。
ブラックウォーターのやり方
まず注意点

ブラックウォーターは流木のあくが出た水とほぼ同じであり、活性炭で簡単に除去されてしまいます。なので、活性炭が入った水槽には適しません。同じ理由でソイルも色が薄くなるのが早いです。ベアタンク(床材の無い水槽)や砂の水槽が適しています。
また、酸性に僅かに傾くことで貝類やエビ類にも影響が出るとされています。ですが、薄い茶色になるようなくらいではほとんど影響はありません。気になる水草への影響ですが、何の影響も出ません。安心して使ってくください。ただ、C02を使うような本格的な水草水槽だと光量が落ちて生育が鈍るかも?
また、ブラックウォーター化することで魚の産卵を促す時があります。水質の変化を感じ取って、卵産みたいなぁーって雰囲気にできます。ベタには効果がわかりやすく、オスは泡巣を作り始めることがよくあります。
ブラックウォーターにする定番方法はヤシャブシかマジックリーフ
ベタでは定番はヤシャブシの実です。アクアリウムで全体ではマジックリーフの方が定番かも。ヤシャブシは直に水槽に入れるのではなく、事前にバケツなどに2日ほど漬けてブラックウォーターの種水を作って不純物を取り除いてからから水槽にいれます。
自分もアクアショップでヤシャブシの実を買ってベタ水槽に入れていました。しかし欠点があり、アクが浮いたり、崩れてゴミが出ることです。専門店のものはあく抜きをしてあるということでしたが、ごみが浮いたりするのはあまり変わりありません。それに濃度を調整するのがなかなか大変。専門的にベタを飼っているなら常にヤシャブシのブラックウォーターの種水を維持する利点もあるのかもしれないですが、飼育数が少ない場合は持て余すのは必至。そもそも、種水の段階で中々色が出ません。それは水温の問題です。飼育水槽ならヒーターが入っているので数日で色が出ますが、冬場などはヒーターが無いといつまでたってもエキスが出なくて色が薄いままです。

マジックリーフ(モモタマナという常緑樹の葉)もありますが、こちらも基本的には同じです。ヤシャブシの実よりも泡がでにくく、葉っぱを水槽に入れるという見た目が気にならないならおススメです。直接水槽に入れるのもokです。ただこれも葉っぱがボロボロになりゴミが出ます。見た目的には汚いのであまり好きじゃありません、白いモヤモヤがでるんです。でもベタは下に隠れたりしてストレス軽減には良いのかも。
お手軽にブラックウォーターにする方法

葉っぱや、ヤシャブシをつかうよりもお手軽なのがテトラでのブラックウォーターというリキッド製品です。天然ピートエキスが主な成分になります。ピートとは数百年かけて炭化した植物性の土のようなものです。
テトラでのブラックウォーターを使い始めるといまさらヤシャブシなど入れる気にはなりません。なんだかんだで、手軽が一番。結局これに落ち着くと思います。入れる量は即効性なので色を見ながら調整します。ヤシャブシなどと違いコントロールしやすいです。
250mlの製品だと60㎝規格水槽で8回ほど使えます。一度開封すると蓋の気密性がいまいちで中身が蒸発してしまいます。知らないうちに蒸発してしまいうので、ラップなどをかぶせて蓋をするといいですよ。
追記:ソイルだったので3日ほどで色が無くなりました・・・。一方、同日に珪石の水槽に入れた方はまだちゃんと色づいていました。ソイルに入れるのはやめた方がいいですね。
欠点は価格が高いということですが、ベタ飼育用の小型水槽なら長持ちします。大型水槽に使うのは金銭的にきついです。
マジックリーフなどでもブラックウォーターにできる



テトラのブラックウォーターを使う手が一番お勧めです。我が家にはベタ水槽が5個ありますが、どれもブラックウォーターにしています。病気になりにくいというのもありますが、雰囲気が好きです。
リキッドをつかわないなら、ヤシャブシかマジックリーフですかね。注意点は物によっては全然色が出なかったり、色が出るまでに時間がかかったりする点に注意が必要です。煮だす方法もありますが、冷やす工程で濁りが生じるので、素早く冷却する必要があります。工夫次第で安く済ませることもできますし、よほど変なものを使わない限り魚にも問題ないでしょう。

※冬場は冷たい水ではあまりタンニン成分が抽出できません。その時はそのままヒーターの入った水槽に入れましょう。
PH調整したい場合
PH調整したい場合にもブラックウォーターは使えます。0.3から0.5ほど落ちますが、解りやすくPHが落ちる訳では無いです。0.5以上は下げちょうと思ってもよほど色を付けない限り下がりません。
試験紙でなく、デジタルメーターを使ってくだださい。試験紙も使ったことありますが、判別はあいまいですし、時間がたつと成分が変質してしまいます。