まず、最初に言っておきますが水槽のガラス面などのコケを減らす一番の方法は水替え前にスポンジなどで落としてから水替えして直接水槽外に排出することです。余分な栄養がコケの生育につながっているわけだから、コケ掃除して水に戻してそのタイミングで水替えをして排出するんです。
なので、貝を入れてガラスのコケを取ってもらおうという気持ちは考えないでください。ではなぜ貝を水槽に入れるとというと、石や流木などのレイアウトを少しでも綺麗にしてほしいという思いがあるから。あとは水槽内の仲間として。
カワニナ以外の貝の欠点
水槽の貝で代表的な石巻貝はレイアウトの石や器具、ガラス面に白い卵を産みます。この卵は厄介者で人為的にとらない限りずっとそのまま。汽水環境が無いので孵化もしません。
イシマキガイと同じように、カバクチカノコ貝もシマカノコ貝も白い卵をたくさん産みます。我が家でもそれらの貝は入れたことあるし、今も生き残っているイシマキガイはいるのですが自分の水槽に入れることは今後ないでしょう。
たとえコケ取り能力があったとしても、結局のところ人力での掃除は必要なのに、さらに見苦しい卵を産んで掃除の手間まで増える、しかも生体だから糞はするし、純淡水じゃ長生きはさせられないし。
そんな水槽に入れる貝のお気に入りがカワニナ!!!なんとこの貝、卵は産まずに直接稚貝を生みます。タニシと一緒です。でもタニシは水槽では餌を維持しにくく死んでしまうことが多いのですが、カワニナは水槽で死ぬことはほとんどありません。かわいい赤ちゃんが増えるのも微笑ましいです。
カワニナは卵を産まない、稚貝を産んで増える
カワニナは春から夏に稚貝を生みます。複数匹入れていたり、川で交接済みだと少しずつ稚貝が増えていきます。小さくて可愛いです。
とても小さいのでコケ取り能力は低いですが、食べ残しなどを処理してくれます。小さくても尖がっていてかわいいです。
あまりに増えすぎる場合は、別の水槽に移すか間引きます。稚貝はどんどん増えるので、床材掃除のときに一緒に吸い出すくらいで随時間引きましょう。かわいいと言っておきながら、適当に間引けとは残酷ですが・・・。明らかに多すぎる場合は、ごっそり減らしても問題ありません。もしくは貝を食べるような魚のエサにします。例えば、カワヒガイやオヤニラミは小さな貝を食べます。もぐって食べて貝殻を吐き出しますよ。
どんどん増えるには豊富にタンパク質やカルシウムが必要ですが、いつもカワニナが食べ残しを食べているような水槽だと増えすぎてしまうかもしれません。屋外のビオトープなどでも急に大発生するときがあります。
カワニナは死なない
カワニナは比較的丈夫です。高水温とPH、低酸素に注意すればそう死なないでしょう。勝手に増えて困るくらいですから。
高水温の夏場は活動が鈍りますが、気温が下がる夜に動きが活発になります。冬は低温で活動は鈍りますが、室内ならば問題なく活動します。
カワニナは日本淡水魚と雰囲気が合う
メダカとかに似合いますね。これはタナゴですが。
熱帯魚とは雰囲気が合わないと感じるかもしれない。
カワニナは水草は食べない
小さな葉で削ぐようにしてコケを食べますが、食べ残しや死骸なども食べます。
カワニナは水草はあまり食べません。葉には乗っかります。稚貝はよく水草に取り付いています。
やわらかい水草は食べるケースもあるかもしれませんが、サカマキガイやラムズホーンほど食べることは無いです。水草レイアウト水槽に適するかどうかですが、カワニナの稚貝が増えすぎると水草に入りこんで間引きが不可能になるので、本格的なレイアウト水槽には適さないと思われます。
カワニナは川で捕れる捕り方は簡単
カワニナの取り方は簡単。手でつかむだけです。田んぼの近くの通年水がある所ならまず生育しています。遊水のような綺麗な環境にもいます。山里の方にもいます。
しかも大量にいます。
導入の注意点
川の貝類は他の生物が良く取り付いています。ヒルなどを水槽に入れるときがあるので、ブラシで付着物を落してください。
尾ぐされや口ぐされ、エラ病などの原因になるカラムナリス菌がいる場合もあります。過密水槽や水が汚れた水槽には入れると発症する可能性があるので、水が痛みやすい水槽には入れない方が良いです。ま、カラムナリスは常在菌ともいわれるので元々水槽にはいるケースがほとんどなはずだから気にする必要はないかもですが、もし導入直後にこれらの病気が出た際は原因の一つとして疑いましょう。
数日間プラケースなどで様子を見た方がイイでしょう。エサは切って糞をすべて出させて水槽に入れます。
もし死んだ場合は水を汚すので取り除きたいのですが、普通は気づきません。次々とカワニナが死んだり、魚が死ぬ場合は水槽のろ過環境に問題があります。
カワニナの数は大きなのなら、5-10リットルに1匹くらいが適正数です。
欠点:カワニナにも欠点あり?
欠点はコケ取り能力は高くないということです。同じ大きさのイシマキガイよりも口が小さい。
カワニナはメンテナンス要員というよりタンクメイトとして楽しみます。そももそもコケ取り用の生体って実際は存在しないと思うんですよ。というのも、コケ取りの貝も魚も生体だから水槽を汚す原因なのは間違いないんです。コケ取りにオトシンクルス!プレコ!フネアマガイ!とかいう人を自分は「フフフッ(笑)」って感じで今は眺めています。まぁ、以前は自分もオトシンとか入れてたけど、ほとんど意味ないなぁって数年で気付きました。生体が増えるから水は汚れるし。
カワニナの欠点
- 増えすぎる時がある。管理しやすい小さな水槽で最初は試してください。親を抜くのも手。
- コケをガンガン減らすわけではない。
- 糞はもちろんする。生体なので糞はします。
カワニナが死ぬ時
カワニナは丈夫な貝と思っていますが、水槽では死ぬ時もあります。特に小さなカワニナは死にやすい。大きいのはそう簡単には死なないので、もし同時に複数死んだら水質などに問題があるかもしれません。特に注意しべきは高水温です。30度が連日続くと稚貝は死んでしまいます。
- 高水温30度以上ですぐ死ぬわけではないが、体力を削り。稚貝は死んでしまう場合がある。
- エサ不足で死ぬ
結論:カワニナをお迎えしよう
カワニナを勧める理由の一番は、近所で採集できるってとこが一番です。
カワニナは比較的丈夫で飼育しやすく、初心者にもおすすめです。カワニナが水質改善にも寄与するかどうかは微妙ですが、水槽内の生態系のバランスを保つ助けとなります。そのかわいらしい姿も癒しです。特に日本淡水魚とは似合います。
ただし、増えすぎには注意してくださいね!春から夏は水替えの時に稚貝を半分くらい間引く感覚でも全然okですよ。
我が家では4か所の水槽にカワニナが入っています。数年入れていますが、去年屋外ビオトープでだいぶ増えたので間引きました。