
「ムベ」って植物知っていますか?
先日、熊本県の山に登った時に山頂近くでムベを見つけて食べました。5個ほど実っていて、ちょうど食べごろ。
アケビに似た実ですが、アケビのように割れません。ほんのり赤く実って、触ると一か所くらい柔らかくなっている頃が食べごろです。
つる性の植物ですので、普通は高い所にあり野生のムベは見つけても取るのは大変です。今回は山頂が広場になっており、その周辺がいわゆるマント群落になっていて手が届く距離でした。

柔らかい箇所から手で皮をむきます。中身はぎょっとするような黒色。アケビは果肉が多く白色ですが、こいつは黒。
黒いのは種。この種の周りに甘い果実がうっすらついています。種ごと食べて吐き出します。種は捕りが食べるには少し大きいです。ニホンザルの大好物で、猿の糞で種を広げるそうです。

味は甘くておいしいです。カキの味に似ています。でもほとんど種なので満足感は無いです。適当に齧りながら山を下りました。
「ムベ」という名前は、以下を読んでみてください。
近江大津宮が栄えていた頃のこと。 天智天皇が近江国の蒲生野で狩りをしたとき、琵琶湖に面した蒲生郡奥島庄という場所に立ち寄りました。 そこで天皇はとんでもない老夫婦に出会いました。 彼らは子どもを8人も持ち、とても長生きをしている上に病気一つしていないのです。 驚いた天皇は、なぜこのように健康で長生きできるのかを夫婦に訪ねました。 すると夫婦は「この地に古くから伝わる果物を、毎年秋に食しているからです。」といい、アケビを小さくしたようなような果物を見せました。 不思議に思った天皇はその果物を口にすると、一言「むべなるかな。」(もっともであるなあ)と言い、朝廷に毎年献上するように、と命じました。 このとき天皇が口にした「むべ」という言葉が、そのまま不思議な果物の名前になってしまった、ということです。 そして、この年から、奥島地区から朝廷へのむべ献上が始まったのでした。
https://www.nara-wu.ac.jp/grad-GP-life/bunkashi_hp/tougashi/mube.html
この伝説は今も続いていて、皇室に献上されているそうです。
不老長寿のスーパーフルーツ「ムベ」を山で見つけたら食べてみましょう。九州では10月が食べごろです。高い所にあるのはとても取りにくいので木に登るときは気をつけてください。
