「自宅で湿地帯ビオトープ!~生物多様性を守る水辺づくり」を読んだ感想

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お魚ガチが書きました
歩き方

自然大好き一家で自然保護協会家族会員。自然観察指導員 。熱帯魚はベタ、日本淡水魚はタナゴその他を20本以上の水槽で飼育中。
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自宅で湿地帯ビオトープ!

  • 書籍名:自宅で湿地帯ビオトープ!~生物多様性を守る水辺づくり
  • 著者:中島淳 (著), 大童澄瞳 (イラスト)
  • 価格:1870円
  • アマゾンの評価4.9
  • 伝説:ツイッターでビオトープのトレンドが複数日にわたって発生。
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本の内容

  • 序章 はじめの知識 (めざすもの、エコトーン、生物多様性)
  • 1章 つくってみよう! (素材、作り方、周辺設備)
  • 2章 すばらしきビオトープ探訪 (みんなのビオトープ、最強のビオトープ、でかけて見る)
  • 3章 湿地帯ビオトープの生き物図鑑 (動物・植物・図鑑)

オイカワ丸こと中島淳と漫画家の大童澄瞳の著作。挿絵は他にもトガシユウスケ。サイズはA5判で142ぺージです。中身はザラザラしたカラーページ。紙質は図鑑向けではありませんが、細部まで見えるので悪くはありません。

本のレイアウトは本文(1段組、2段組混在)、イラスト、写真、付け加えコメント、コラムで構成されています。イラストが豊富で画像にはコメントが多いので、堅苦しくなく読みやすいように工夫された本と言えます。本のレイアウトを行ったトガシユウスケさんが有能ですね。

オイカワ丸さんの文章は、無駄なくきっちり書かれているので信頼できますね。いろいろ事例を知っているから書ける内容。漠然としたビオトープというイメージが、なるほど移行帯かぁと理解できます。そこがイメージできると、自分はこういうのがいいぁなぁと考えられる。

漫画家の大童澄瞳は表紙、マンガ2ページ、中表紙イラスト、庭のビオトープ紹介、てな感じで出番は少なめ。最強ビオトープ解説はシステマチックでマニアック、映像研的な妄想(だけど実現可能)が良いです。

図鑑は学名、大きさ、科が記載されており、掲載数はたぶん多くは無いにしても代表的なところをビタット載せている感じです。60%はカバーしてそう。

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読んでみての感想

さてさて、読んでみたの感想ですが、ビオトープの正体がわかった感じ。序章をよく読むと大げさに言えば世界が変わる。

作り方に関しては、自然に呼び込むか生物や植物の種が流出しやしやすいのか?でグループがわかれるので、それならこうつくろうと直感的に絞られます。あとは規模をみてどう作るかですね。

ビオトープを作るなら希少種や生物多様性の保全には少しでも考慮してみたいところで夢があります。2章に事例が沢山あるので、真似すればいい感じ。

でかけて見るのコーナーでは、アイランドシティと山田緑地に行ったことあります。アイランドシティは人工島でほんと奇妙な空間。ハリボテの町みたいな感覚。あんな人工島要らんやろう・・・。その罪滅ぼしがあのビオトープなんでしょうけど、ね。しかし、空き地に何か作ろうとなった場合、ちゃんとビジョンを持ってビオトープを作ったら、相応の役割を自動的に果たしてくれるってのはビオトープのいいところ。

この本を買いかどうか、図書館で読むべきか?となると今後ビオトープを庭かどっかに作りたいとか思う人はぜひ買うべきと思う。半年後、1年後、図鑑の生物がどのくらい来たか調べたらとても面白いにちがいない。

ビオトープの良い所

水槽増やしたい、生体増やしたいのに、頭打ちしますよね。

そう何本も水槽は増やせません。そこで無理やり過密にすると、病気が出たり、いじめられて水槽の調子が悪くなります。あー、生体追加して失敗だったなぁと反省するんです。

当然ながら、一度入れた生体を再び川に戻すことはできませんし、気軽に他の水槽に移すのも考え物です。バランスが崩れますからね。

しかしビオトープはどうでしょう。

勝手に生体が来てくれますね。勝手にバランスがとれますね。時にはビオトープから去り、入ってくる、いつの間にか消えて、また増える。

水槽は自分で生物を獲ったり買ってきて入れるけど、ビオトープは生物を呼び込む。自然のバランスにまかせるんです。むちゃいいやん。手放しで生物が飼えるなんて得しかないね。

日本の伝統とビオトープ

適当に日本の伝統と関係ありそうなもの無いかなと考えてみました。

イネ(主食のコメ)、イグサ(畳の材料)、カヤ(茅葺の材料)、ちまき(マコモで包みイグサで縛る)(アイヌでは敷物を作った)、蒸し風呂(セキショウを敷き詰めて匂いやエキスを蒸気と共に吸い込む)、水車(常に水が飛びちるので水車の近くは湿地帯になりやすい)

個人的に理想のビオトープ

日陰が多い日トープがいいなぁ。夏は涼しくて風も通る。そのためには木を植えないと。鳥にも来て欲しい。細長い池を二つ並べて間を移行帯にしたい。あと森の池のように流木とか適当に沈めたい。

水の中はタナゴとか二枚貝いっぱいいたら最高だけど、これはちょっと難易度高そう。

こう考えると、古来の日本にあった湿地帯がどれほど素晴らしかったのかという話になる。消し去って気づいてももう遅い。いざつくるとなると大変だ。

鹿とイノシシが水を飲みにくる。ある川のワンドにある池。